| 2006年12月05日(火) | ||
| 風に向かって前髪だけでもたててゆけ | ||
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もいっちょ。 無駄に萌えてもいいですか? [堕天使のSS] 音楽を、生み出す、それで幸せ 先生を尊敬していたから。 だから先生を悪しざまいう奴は許せなかった。 親の七光り、それは事実だ。 けれども彼らは知らないのだ、先生の苦しみを知らないのだ、血を吐くような命を絞り出すような勢いで、先生の音楽は生まれる。その凄惨さを彼らは知らない その凄惨さを知る僕は、ただその前にひざまずく、あんなに真摯に音楽に向かうひとを僕は知らない、そのひとが僕の尊敬するただひとりの…… 「君がうらやましい」 え?何か言いましたか? 先生 曲ができあがらない。祈るように見守る僕に先生は「今日はもう遅いから帰りなさい」と言う。僕は黙ってうなずき、家路についた。冬の夜空は凄惨なまでにすきとおり、その凍えるような光は先生の音楽を思わせた。冷たい激しさ、先生の魂を削るようなその音楽が、僕は好きだ。 夜が明けると同時に、僕は先生の元に戻った。予想通りの荒れた部屋、先生はピアノの鍵盤にもたれかかるように眠っていた。譜面はまだ最後まで埋まっていない。何度も何度も書き消した跡。だらりと垂らされた先生の手を取ると、まるで死体のように冷たくて。でも今日がこの曲を完成させる約束の日、こんな冷たい手では思うように鍵盤を滑らないから。 冷たい手を両手で握る。先生はまだ目を覚まさない。うつ伏せた額に乱れた前髪がかかり、頬はくっきりと影をつくり。 泣いてしまいたいぐらいに、うつくしいと思った。 僕は先生の手を暖めるように、息を吹きかけた。暖房のない朝の光の中に白く息がけぶる。なんどもなんどもそれを繰り返した。骨ばった指に敬虔さでくちづけたかったけれど、それは畏れおおくて 先生 ぽろん、と鍵盤が鳴り先生が目覚めた。しばらくぼんやりと僕を見つめ、そうか、眠ってしまっていたかと言い、君は帰らなかったのかいや服が変わっているなと納得し、いぶかしげに自分の手を目の高さにあげた。そこまで僕は先生の手を握ったままだった。 「ああっ、すみません。あまりにも冷たかったので……ピアノがひけなくなると、思ったので」 先生が、僕の手を両手で包む。唇に引き寄せて、はぁっと、息を吹きかける。朝の光の中に先生の息が白くけぶる。 「君の手も、冷たい」 先生がわらった。 「おいで。手を暖めよう」 先生と並んで座り、ピアノを弾く。先生の後を追うようにピアノを奏でる。簡単なエチュード。ぽろぽろと音は流れ、吐く息は白く、顔を見合わせて先生がまた笑った。 神様 あなたは僕に音楽を生み出す幸せばかりではなく、音楽をわかちあう喜びを与えてくれるというのですか 「何か、言ったかい?」 先生 音楽を、共に生み出す、それで幸せ ++++++++++ 彩那音ちゃんの今のびかびかした輝きをすごいなぁ、と目を細めてみております。 壮ひろみ、というかいっそひろみ壮でも(真顔)。 ところで昨日今日と無駄に漏れた元ネタは、日曜日にベッドに入った瞬間にぽろっと漏れました(最近よくある現象)。ひとしきり脳内で練ったあと一人でもきゃーっとしながら、ああ、これメモっておかないと絶対にわす、れ……(ぐー)(寝てしまった)。 目が覚めても覚えていてよかったです(笑)。 それに関連して(?)。 [スカステメモ] ・年末特番での各組二番手三番手らへん(笑)ゲストで、壮真飛がお披露目公演(違)です。でもつるんで出るとは限らないかなぁ(案外ビデオレターだけだったりな)。でもこれだけプレ食らいつき(笑)しつつも、真飛さんにはこのままずっと攻がみつからないような気がしてきたよ(探さなくていいから)。 |
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