2005年06月11日(土)
わたしだけ、は時に甘く時に辛く[完了]


 オギー、あんたにゃ負けたよ……(ちびまるこ風)。


 花組さんを観てきました。
 初見の時にオギーの脚本が時間枠に対してはみ出てている、と言いましたがあれ訂正します。つうか単に私が理解していなかっただけ?と客席でうろたえました。時間枠にははまっていると思いました、ちゃんとそれぞれの物語はちゃんと完結していると思いました。物語全体としてもちゃんと完結していると思いました。ただそれを理解する為には、あの一時間半に詰め込まれた膨大な情報量を理解しなくちゃ無理なんですよ、つうか一回観ただけじゃわからないよオギー!
 というわけで初見の時以上にどっかんどっかんキテしまいました。すごいイイ話だ。いい舞台だ。皆なんてかわいそうなものがたりなんだうわわわわん(白鬘斜めジョバ走り)(懐)……って気分になりました。
 思わず幕間に追加チケットを探してしまったんですが(……)、いや、金ないし、次星組だし、でもここでもう一回行っておかないと後で後悔してまた博多まで日帰りしちゃうんじゃないかと心配で心配で!(大人になってください六実さん)。


 というわけで、オギーへの完敗宣言と共にまとめることはあきらめました。以下、言いっぱなし箇条書き、もとい過剰書きマラケ酒泥酔メモです。


[マラケ酒泥酔メモ]

・初見の時にはレオンの存在だけが、なんか物語から浮いちゃっているなぁと思っていたんですが。パリを起点として繋がっていたのだなぁと思いました。パリに本当の自分を置いてきてしまったリュドヴィーク、パリで全てが止まってしまっている(あるいは唯一の自我が取り残されている)オリガ、パリから逃げて来たイヴェット、パリへのあこがれを抱くレオン。そうやってパリを起点にして、四人のそれぞれが交錯している。

・物語の主人公はリュドヴィークではないと思いました。なんというか彼はもっと超越したものに見える。むしろ主人公はオリガとイヴェットかと(ヒロインではなく)(見た目にわかりやすい主人公はイヴェットだと思いますが、オリガの一連の物語はタイトルロールを握ってもおかしくないと私は思います)。

・そう思ったら、同じパリを起点にしている四人のうち、2人(男性陣)が死んで、2人(女性陣)が生き残るっていうのは、上手くいえないんですがぐっときました。

・生死、というか帰るところにもどったという事ですかね?アマンの言う「彼の周りには帰るところをもたない人ばかりが集まる」(うろ覚え)、四人が四人とも「帰るところ」を持たなかった。けれどもオリガとイヴェットは帰るところを見つけた、あるいは見つけようと歩き出したんだと思います。リュドヴィークとレオンは帰れなかった。レオンに関しては本当は帰る場所は母親の元であったはずなのに、すぐ近くに帰れる場所があったのに、それに気付かずに死んでしまった(ぐあーん)。

・何度でも言う。オリガがかわいそうでかわそうでからっぽでかわいそうで(言葉は整理してから話してください)。パリの回想場面はもうぐあんぐあんきっぱなしです。

・今日気付いたのですが、あの場面でリュドヴィークとオリガが微妙にリンクしあっていたように思いました。オリガが王子との恋に酔いしれている場面で、リュドヴィークは螺旋階段の上で叶わぬ恋の思い悩み(ここの螺旋階段にくたんとなっている姿がすごい素敵)、王子去られたオリガが、王子の後姿に手を差し伸べているところで螺旋階段の上で同じように手を差し伸べる仕草をしていた。リュドヴィークがイヴェットと恋を謳っている時、オリガは螺旋階段の上で雨に濡れた捨て猫のような風情で佇んでいる(この後にクリフォードがオリガに向って手を差し伸べて、それにたたっと螺旋階段を降りて、差し伸べられた手に縋ろうとして、ためらうオリガがすごいたまらない)。初見の時に、リュドヴィークとオリガは恋愛ではないと言いました。どちらかと言えば「同化」「投影」「似ているもの」、つまり「×」ではなく「≒」という感じではないかと思いました。

・多分、オリガは感情移入されにくいだろうなぁ、同情票(悪い意味ではなく)というか感情を揺さぶられるのはイヴェットの方なんだろうなぁと思いつつ、私はオリガにすんごい同情して揺さぶられます。いやそれ単に君がふー様大好きッコだからじゃないか。

・哀しみを「痛み」とするならば(なんですかいきなり)
 イヴェットさんから感じる痛みは、先のとんがった鋭いもので突かれた痛み。ずきーん、ずきーん。
 オリガから感じる痛みは、小さな細かい棘のついた布みたいなもので全身を撫でられた痛み。かきむしってもかきむしっても抜けない小さな細かい棘。ちくん、ちくん。
 っていう例えを観劇しながら脳内に繰り広げてました。いや、非常にMっコらしい例えですな!(半笑)。

・本当に「かきむしられる」あるいは「どうにもならない」感じでオリガがかわいそうでかわいそうで、その間にイヴェットが横殴りに打ち付けてくるようなかわいそうな表情や姿や台詞で私をうちのめし。もう満身創痍です(勝手に傷ついてください)。だから最後にイヴェットがふっとふっきったような表情をしてはけていくのにも、オリガの過去をクリフォードが断ち切ってくれるのにも本当に救われたなぁと思えるのです。

・初見の時に金の薔薇は過去、石の薔薇は今(未来)の対比、みたいな事を言ったのですが、込められていたダイイングメッセージ(違)はそれだけじゃなかったよお母さん!だって、オリガがリュドヴィークに売ってほしいと言った石の薔薇がリュドヴィークからクリフォードに「託されて」(という描写が込められて)オリガの元へ来たじゃないか(二回目で気付いたらしい)。金の薔薇だってコルベットからリュドヴィークに「託されて」イヴェットの元に、それがリュドヴィークにイヴェットから砂漠に捨ててきてと「託されて」、最終的にオリガの元に。気が付けば薔薇は二つともオリガの元へ……すみません、この記号はちょっと読解できていません。でもその流れがすごいくる、つうかむっさんすごいくるって感想しか言っていない。

・薔薇の話が出たところでギュンターさんの話なんですが、かおりちゃんがパリの場面でどうして薔薇を拾わなかったんだろう?(イヴェットがリュドヴィークに取り残された場面のところ)と言ったんです。いや、それはきっと最初はそのまま盗ろうとしたんだろうけれど「ネコババという行為が薔薇を汚す」と思いとどまったんじゃない?と答えておきました(笑)。なんだーギュンターいい奴じゃーん!(えー?そうなのー?)。

・地味にではありますが、前回の帝(笑)(そこで笑うのか)に続き私の中でユミコ氏株が上がっております。あまり書かれていないのが本当に惜しいのだけれど、クリフォードはすごくいい役だなぁと思います。

・測量隊のレベルが高くてびっくりしました。だ、だれだこの男前は!と思ったら紫峰七海君(むっさんが初舞台生当時に写真指名(違)していたひと)(寺先輩が垂れ目だからと私ときよし君に薦めてくれた)と観劇後(のプログラム立ち読みで)判明ー。そうかー、舞台顔はああなのかー。つうか声が顔に似合わず低くてびっくりしました……うわ、何かの暗示(何のだよ)。
 そんな測量隊の中、ものすごく絶望した芝居をしているマメ。いやー、あれは素敵だった、必見。

・ラストですっちゃんの蛇が踊っているところで一緒に踊っているかしろきほちゃん。あそこの振り付けで、握った手を上にむけてふわっと開くのがあったんですよ。私にはあれがまるで、レオンの魂を空へ返しているような、掌に握っていた蛍を飛び立たせているような、それがレオンへの弔いのような、そういう場面に見えたんです。レオンの死に方は唐突で突然で何のフォローもないんですが、実はかしろきほちゃんの存在で完結しているんじゃないかと思いました。あのシーンがすごく象徴的、でも初見じゃ気付けないよオギー(……)。

・あと最後にベルベル人達が舞台を斜めに列をなしていくじゃないですか。あそこに最後に舞台に出てきて踊っていたレオンが一緒になってはけていくのがこれまた象徴的。彷徨うもの、さすらうもの、彼岸と此岸を繋ぐ葬列、そしてその葬列にもどってゆくイズメルとアマン(言いっぱなし)。

・色々ぐあんぐあんきつつ、私が一番わくわくするのは、オリガ×イヴェット×ソフィアの三つ巴キャットファイトINレオンの店です。いや、あの三人のキャラの立ち具合というか、対比というか。オギーの娘役への書き込みは本当に秀逸だなぁと私も思います。







 まだまだ話したいことはあるのですが、これから涼バウファーストランを見るのでとりあえず。
 気力があったらまた来ます(これ以上まだ話すのか)。


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 ただいまー。

[スカステメモ:それでも船はゆく]

 涼さんとドイちゃんに思いっきりニヤニヤしながら見てしまいました。
 ところで、以前気になって「家族と一緒に暮らしている人たちはどこでスカステを見ているのか(親と一緒に見ているのか)」を友人諸氏にリサーチしたことがあったんですね。結果は2対2で半々だったんですが、私なら絶対に親の前では見れません。だってこんなすんごいニヤニヤしている姿を親が見たらどう思うか!(どうも思わないよ)。……そうやって考えるとやっぱり私にとって宝塚ってそういうものなのかなーとも思ったりします(ぼかし)。




 すみません、花組さんの話に戻ります。
 といっても今日もショーの話までたどりつきません。
 ですが、これだけはしたい話をしておきます。

・ショーで猛獣遣いのシーンで、樹里ちゃんがあからさまにあすかたんをナニしてナニするシーンがあるじゃないですか?あそこを割とスルーして見ていた自分にはっと気付いたんです。でもタカラヅカ見始めの頃はこういうシーンを「キャー、エローい」って見ていたと思うんですよね。わかりやすい例で、ハマり始めの頃に見た初代サザクロの食虫花のシーン、あそこに私はすごい「キャー」となったわけです(当時まだヅカオタじゃなかったかおりちゃんにもわざわざ見せた記憶があるぐらい)(笑)。でもそれと同じようなシーンに対してそんなに反応しなかった。……これって、タカラヅカではもっとエロいものを見れるって私が知ってしまったからじゃないかなぁと。なんというかこういう直接的な表現よりももっとエロいものがタカラヅカにはあるじゃないですか?(聞くな)○○ちゃんが目を伏せただけ!、とか××さんの指使いが!とか言う方にタカラヅカという虚構が生み出したエロが噴出している訳じゃないですか?(だから聞くな)単に私がチラリズムスキー、という訳ではないと思うんですけれど。

・という訳で、エロつながりで今回の花組公演で一番エロいのは蘭寿先輩という判定です(ええ?)。いやあ、どうしちゃったんですか蘭寿先輩。でも蘭寿先輩のすごいところはエロと健全を同梱しているところだと思いました。なんというか今、蘭寿とむさんの男役としての振り幅は「エロ」と「健全」を両端としているのではないかと思ったんです。いやあ、数年前に誰がこんな事態を予想したでしょう。
 で、男役の振り幅の両端にくるものって、人によって違うなぁと思ったんです。
たとえば大真みらんさんだと「若←→老」、綺華れいさんだと「漢←→妖」まっつさんだと「冷←→オモロ」かなぁ(オモロて)。……すみません、思いつきの言いっぱなしなんで!(ダッシュ)。


 寝ます。


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