2004年06月19日(土)
やべーいっぽんあけちゃった


 雪組さんマイ初日でございました。マイ楽日にならないことを祈ります。


[キムシンと一緒]

 どうにもこうにもキムシンと折り合いの悪い私。もう本気で靴投げたらどうしようかと思っていたんですが、だ、大丈夫だったよお母さん!(何がなんだか)。
 なんというか最初から「あの人は何を言っているのカンパネルラ」状態になってしまったんですね。冒頭でスサノオの暴力について云々している時に「ちょっと待って!問題はそこじゃなくて男と女、どっちが優れているか争う事が真の問題なんじゃないですか!」と思ったが最後、堂々巡りの会議を聞いている気分になってしまってね(半笑)。
 これは王家の時にもまったく同じ事を思ったのですが「平和平和って、じゃあ君の言う平和って何なの?」……これに尽きてしまうんですね。
 なんというかキムシンの一連の作品はそういう単語、あるいは事象をならべているだけな気がするんです。で、その単語や事象は少なくとも宝塚では見慣れないものばかりだから、特異性がでてきてしまって、キムシンが得意になっている(笑)だけみたいな。こういうとらえ方をするのはひねくれているのかもしれませんが、アシナヅチが、「民は自分の事しか考えない」と言って絶望する。でもそんな事、当たり前の事だし私たち知っているじゃないですか。そして誰もがそういう自分を持っているし、そういう他人と接して傷ついたことがあるわけじゃないですか。だからね、「だから、何?」って思ってしまうんですよね。拉致問題にしても「あやまらない大和」の問題にしても、我々はそれを知っているし、それについて思うこともいろいろあるわけですよ。それぞれに。キムシンはああいうモノを「提言」あるいは「気付き」として提示しているのだろうけれど、私にはそれはただ事実を並べただけにしか見えないんです。
 本当にあの人とは相容れないなぁ。
 でも、思っていたほどそういう描き方がえぐくはなかったんですよ。もしキムシンが公式に「これは日本の今を問う問題だ」と大風呂敷広げなければ、ぎりぎり「つくりものの世界」として流せたかもしれない。最後に大団円でハッピーエンドで、「つくりものの世界」として終わらせて、でも良く良く考えてみたらそういう事を問うている作品なのかもなぁと、そういう気付きを個人の選択、というか自由にゆだねる事ができたと思うんだけれど、キムシンが真っ向から「これは問題作です(歌劇の楽屋取材から)」って言っているからね。「つくりものの世界」を一気に違うものにしてしまっている。私、それは表現者として間違っていると思う。

 あ、でも一つだけ共感できたメッセージがありました。
 この島国大和は、海に囲まれているからこそ、海に向かって掛け橋となっていく。
 いい話や(話じゃないし)。


[月読さん(イナダヒメ風呼び方)(わりと笑った)]

 という訳でこの物語のテーマやらメッセージやらは割と早めにうっちゃって、月読ウオッチャーと化しておりました。ごめん、この間のバウから今年度の雪組は壮君中心で観る気満々だったんだ(笑)。いやー、ぐんと舞台の立ち方がどっしりとしてきました。かおりちゃんが「月読さんなら一人称は「私」かなぁ」と言っていたのですが、私はあの「俺」という一人称、そして冷めているんだか傍観者なんだか喧嘩売っているのかわからないあのキャラクターがかなりキました。いやぁ、月読さん深読みすればSSの一本ぐらい書けそうですよ!(イイ笑顔)(しないけど)。そういう感じで含みのある、そして無駄に妄想できそうな役所でした(しないけど)。 でも壮君のヘタレ加減は健在でしたなぁ(ニヤニヤ)。存在は重くなった、あとは動きがもう少し追いつくといいなぁと思っています。


[おとうとといっしょ]

 で、キムシン節についてあれこれ思わなかったのは舞台始まってから八百万の神の掛算にハマってしまったせいなのですが(ええー?)(お前もう退場しろ)。おそらく多くの人が「月読×スサノオ」という式を提示してくると思うのですが、むしろ私はアマテラス・月読・スサノオを絡めて計算してました(するなー)。いや、だって姉弟婚だの近親相姦だの出てくるじゃないですか。伝わらないのを覚悟で、私の中に浮かんだのはこんな図式です「アマテラス(両性具有)(アタシにはそう見えた)/月読(種無し)/スサノオ(男子)」。……この三人の愛憎劇とか考え出したら止まらなくなりました(ほうっておいてください)


[その他メモ]

・びっくりしたのは何故かあの大和の民の中で緒月遠麻君が異様にオペラに入ってきた事です(素)。いや、一番最初にオペラあげたらまんまと入ってきて、以来今日のオペラは緒月遠麻サーチで初期化されたがごとく(笑)。でもショーでは気付かなかったので、あれはきっと彼だけみずらパワーが備わっていたのかもしれない(わかりません)。私、彼の舞台姿が「おおきいキリヤン」に見えます。
・ベストミズラストとは私もいずるんに一票です。
・みずらでもなお輝お兄様はなお輝お兄様だった。
・アオセトナ様カッケー!(大喜び)ワタクシめにも青い魂会員証を!(本気)
・だってアオセトナ様のお側にいればとなしなの新体操(違)が見れるんだよ!
・おねえさまたちにまわされるいなだひめ……(絶句)。
・誰か1人ぐらい「八つの頭に八つの股(ヤマタ)はないという事をツッコで欲しかった(古典的)。
・アメノウズメ……あ、あれしか出番がないのか。
・ダヂカラオが白いムックに見える(素)。
・雪組ゆえに素晴らしいモブっぷりだったのですが、私が心底震えたのは、スサノオが死んでからのモブ。あそこの民は好き勝手しゃべっているじゃないですか、あの空気がなんともいえずすごかった。そのナチュラルさというかなんというか、素に近いのに舞台に載っている表現としてなりたっている。なんだかすごい新しい表現方法に見えた。
・ここでアイコンタクトを取る神月舞咲を拾ってちょっと得した気分(麗しき同期愛)。
・……でも全般的に疲れる公演だったのは否めません(素)。
・コム蔵さんすごいカッコ良かったのに……。
・アオセトナ様チョーステキだったのに……。
・雪組さんの娘役ちゃんはいつみてもかわいいのに……。
・茜のラストステージなのに……。
・それからそれから……(もういいから黙れ)




 ショーの話はまた後にします。



[久しぶりに刊行物チェック]

 買いそびれていたものやら、今日発売のものやらで、今日は歌劇・グラフ・2004白い本を買ってきました。
 以下ざっと感想。全部ちゃんと読んでいないけれどな(ダメじゃん)。

・白い本は星組若手座談会だけで1000円払います。すごい楽しい。微妙に錫嗄カウント(ええ?)。あと下級生にしぃ様と呼ばれるしぃちゃんとか。しぃちゃんの太陽っぷりが!もう私の考えるしぃちゃんそのままで!
・あと花組若手座談会は掛算の宝庫でした(ええ?)。すごい脳内でそれぞれに色々な方向で矢印がからみあうからみあう(笑)。
・歌劇のアヤキさん特集の演出家の言葉(オギー、大野先生)がどちらもそれぞれにすごいよかったです。ここでシンディをぶつけてこないのはちょっと驚いたかも。
・百花さんのポート、スゴイ美人(空手チョップ)スゴイ美人(空手チョップ)スゴイ美人(空手チョップ)(いいかげんにしてください)。美人は薄物着てこそ映える、そんな条例を自分の中に加えて置きました。
・ほんとろくろく読んでいないのですが、今回の歌劇のMVPはまりえちゃんのポートです。だって、これ「おじさま」って言って振り返っているショットじゃん!(ええー?)。無駄に漏れました。



 美波里ねえさんがエンジンかけてきたので、私もその波にのりたいところです。ええ、ええ、忘れてなんかいませんから。
 


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