⊂セブンデイズ⊃
2004年09月04日(土)

鋭い円柱形の芝生を歩いているような、夏は終わっていた。
何にも気付かない振りをして、お仕事と遊びに明け暮れたよ。
だけど8月の終わりの頃から、どうしても駄目なんだ。
遊びもお仕事も。
理解のある店長は「休みも時間もたくさん取ったって構わないんだから、お前のペースでシフトを取れ」と言ってくれる。
あたしは言葉に甘えてしまう。
迷惑だってかかってしまう。
あぁ、駄目だ。
遊びはどうでもいい、お仕事をちゃんとしなければ。
お薬はよく効くよ。
永遠に眠っていまいそうな勢いで、よく効く。
最近は友達と同じ病院へ行く。
お仕事仲間で行くと少しは気がラクだ。
みんな色んな境遇で生きてきた、そのなかで4つ年上の友達はしたたかで好きだ。
おねえちゃんみたいに心配してくれる。
あたしのことを好きだと言ってくれる。(勿論、気に入っている、の意味で。)
素直でしたたかで物知りで白黒ハッキリしていて、とても尊敬しているよ。
とても素敵なお姉様です。
年下組には、妹みたいな危なっかしくよくはしゃぐの1人(でもクール)、歳の割にしっかりしてるのが1人(でもすぐ泣く。笑)、付き合いの長いタメのちょっとおかしなのが1人。
それにあたしを含めた5人、お店の問題児たち(笑。
店長やボーイさん達にイタズラばっかりしてるから、きっと凄く目を付けられてると思うよ。
そんな仲間がいる夏だった。

夜の生活だったから、花が咲いて枯れるまでをあまり見届けられなかった。
最後は庭先に咲いていた山百合の、雄蕊になった姿だけ。
なつこいし秋のはじめ。
8月の21日、横浜から帰ってきたら宇都宮の夜はすっかり涼しくなっていた。
泣きそうだったよ。
ちゃんと現実を見据えている筈なのに、断片的に目に映るいつかのなつのおわり。
嵐の中の静けさ。
どれだけ周りが騒がしくてもひとり自分の中に耳と目を向けて、縁側で夜だけ見ていた頃、
身に付いた静けさは今でも、周りとあたしに温度差をもたらしている。
なにやってんだろう、と冷静に戻り、呼吸を止めそうな自分。
うっかりしていたら暴れだしそうなあたしの中のもうひとりが、時々声を漏らす。
空はうずまき、秋雨の明日。



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由弥 [御手紙]