⊂ナイトメア⊃
2004年06月24日(木)

犬を轢きそうになった黎明、思った通りの悪夢。
宇都宮の夜明けは素晴らしかった。
淀んだ川の底に居るみたいに、空は薄紫で酸素は汚れているのに、
静かに留まった空気や曇り空の色ではない色に見惚れ、車を停める。
時間や温度は違えど、地球は夏なんだ。
梅雨をすっかり忘れた日本で、蛙はたくさん死んでしまう。
それでも螢はほとりの老木に、満開に咲いていた。
抜け落ちた魂のようなふわりで、田園の中をとんだ。

最近通っている病院は、昔、怪我に塗っていた軟膏に似た甘い匂いがする。
森の中にひっそりと存在する、まるで隔離されたような病院だ。
栗の花が降る。
副院長先生は女の人で、お話を聞いて貰えることはとても安心のできることだった。
先日、違う先生に診てもらった時にやたらと出された薬は、全くのんでいない。
風邪ひきで過呼吸の軽い発作があった。
これから風邪ひきの病院へ行ってくるのよ。
蝉が啼いてる。

今は誰も信じてない。
夜のお客さんは嘘ばかりなのを知っていた。
お酒が入った理性の死んだ男達。
それを操る女達。
それに踊る男達。
うしろで冷める女達。
日本中がゴミの埋め立て地みたいだ。
液状化で沈めばいいのよ。



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由弥 [御手紙]