★近藤史恵。 『凍える島』

鮎川哲也賞受賞作らしい。
つまり、デビュー作というわけだが、ワタシはここに来るまでずいぶん
回り道?をして、他の作品から読んで行ってしまったようだ。
(いつもそんな感じ)
自分的にはかなりオススメの「カナリヤシリーズ」とはまたまったく
雰囲気を異にしている。
・・・というか、どっちかといえばこちらの雰囲気の方が主流なのか。
これは、やっぱりミステリ?
そうに決まっている、孤島、連続殺人、お膳立てはそろっている。
なのに、これはひょっとして恋愛小説なのではないか。
そちらの方に気を取られて、読んでいるウチに誰がどうなのでも
よくなってきた。
一風変わったように見えて、日常の中の危うい部分を惜しげもなく
出す登場人物達。
一番普通っぽい人が、いやなやつに見えるのは、ワタシも白い霧の中
惑わされているのか。そして、それはたぶん自分に似ている。
前回読んだ「演じられた白い夜」とかなり似たシチュエーションなのに、
こちらの「凍える島」は断然寒い。夏なのに?
結末にさらに愕然。どこか絵空事なのに、やっぱり恋愛小説だったのだ。
2001年10月17日(水)
By ちゃいむ

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