★近藤史恵。 『演じられた白い夜』

いわゆる、「孤島もの」。
それに演劇、雪、古い別荘、エキセントリックな登場人物達。
この言ってみれば見慣れたシチュエーションが、見事に料理されている。
不思議な奥行きを持たせているのが、主人公の夫であり演出家の匠。
作者が彼に話させる大阪弁が、なぜこんなに心地よいのだろう?
演出家らしい演出家だと思うのに。
それは、やっぱりワタシが関西人だからだろうか?
主人公の麻子との絡みも、なぜか冷たくない。
劇中劇と現実の殺人が微妙に交錯して、物語は進む。

今回ほおおと思ったのは、演劇の俳優さん達の稽古はこんな感じなのかな、
というところ。
「緊張と弛緩」を身体に覚えさせることで、自分の身体の動きを知る。
だから、みんな立って歩いているだけでも美しいのか。
うーむ、なるほど・・・。
2001年10月12日(金)
By ちゃいむ

My追加

*back *next *Menu *First *New!! *Mail *Home* 

Edit by オレンジミルク。