読みたかった近藤史恵さんの、初めての本。 図書館で探しても見あたらなかったこの本は、なんと文庫書き下ろし・・・・ そういうことだったのか、と偶然見つけたときは、ホントに嬉しかった。 だが解説(有栖川有栖さん)を読むと、なんとこれは第7作目らしい。 整体師合田先生シリーズはこれが一作目だから、まあよいよい。 しかし、裏表紙のストーリー解説とは雰囲気が違っていて、先生は 主人公というよりは、こちらを見つめる目。 こちら側の登場人物達の心のきしみがほぐされて行くとき、なにやら 読んでいるこちらまで凝りがとれていくような。 後半にストーリーが急転直下したのは驚いたが、登場人物たちの口を 借りて話す言葉は、どれも作者が大切に思っているのが感じられる。 そしてその言葉達は、ゆっくりと腑に落ちていく・・・。
「目覚めさえすれば、眠っていた場所からはいつでも動ける」 |
| 2001年09月12日(水) |
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