2002年02月02日(土)



【―死神―】



   空高く飛びたかった君は窓から飛び降りてしまった。

   小さな病室の隅で泣いてた君は
   僕を見つけて怖がる素振りもしなかった。
   それまで泣いていたのに、僕の真っ黒な姿を見て笑ったね。

   どうして。

   笑う事を止めた僕の鋼鉄の顔なのに
   それでも君は優しく微笑んでいた。

   僕は君の隣のベットの人の命を奪いに来たんだよ。

   怖がらせたくて、言ったんだ。

   けれど君は悲しそうに、そうなんだと一言だけ言った。
   そして小さなか細い声で、あたしじゃないのねと呟いた。

   止める間もなく君は窓から鳥のように飛び立った。
   羽音が聴こえるような気がしたけれど
   鈍いドスンとした音だけが僕の鼓膜に届く。

   空高く飛びたかった君は僕の前で屍になった。

   僕は君の隣の人の命を奪わずに
   君の命を奪ってしまったんだね。

   それは僕の責任。

   安心して良いよ。
   君を鳥にしてあげる。

   さあ、行こう。


   僕は君の命を持って空高く舞い上がった。





   ******

   ちょっと趣向を変えてなんちゃって短編小説風…?(笑)








 


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