ナナとワタシ
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2003年07月02日(水) 手紙でひと悶着-その2

もうすっかり前の話の続編です。
忘れてしまっている方もいると思いますが、無理もありません。
ワタシも忘れてしまいました。
覚え書きがなければ続編は不可能でした。
こんなものに覚え書きをつくっておく自分がイヤでたまらないじょりぃであったりします。

では、つづきです。

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「悩み事というより、隠し事なの?それを打ち明けたいとか?」 食い下がるナナ。

「うーーーーーん・・・」

「親にも話せないようなこと?それとも親は知ってるの?」
このへんの質問、わかってんのかわかってないのかビミョーなところですね。

「うーーーーーん・・・」

「話してよ。あたしも相当しつこいけど(笑)」

「自分の悩みになってしまったから、とっとと解決したいのだね?(笑)」

「それもあるかも。・・・あたしのエゴかもしれないけど。でも話せばラクになるんじゃないのかなー。じょりぃはだって、この先も、『あのとき話せなかった話したい話』を抱えたままあたしとつきあっていくわけでしょ?だとしたら、やっぱ気になるよー」

「忘れてくれていいんだけど」

「じょりぃがいい状態のときは忘れていられるかも。気にしないでいられると思うよ。だけど、じょりぃがこのあいだみたいに落ち込んでたり元気なかったりそわそわしてたりしたら、きっとまた蒸し返すよ、あたし。何度でも」

「元気でいるようにするよ(笑)」

「話してよ」

「時期が来たら話すよ」

「時期?」

「うん」

「その前にじょりぃが死んじゃったらどうするの?」

「死なないよ(笑)」

「わかんないじゃん! 事故に遭っちゃうかもしれないし。わかんないよ。・・・もしそうなったら、あたし、すごく一生クヨクヨして生きていかなきゃならないよ?『あのとき話をきいてやれなかった』って、一生後悔しなきゃなんない。あたしのそういうとこ、知ってるでしょ?」

「うん。知ってる」

「話して」

「そのうち話すよ。死なないし、大丈夫」

「あたしが死んじゃうかも。そうしたらじょりぃ、後悔するかもよ」

「『話してやればよかった〜』って?それはないでしょう(笑)。それに私の方が先に死ぬから大丈夫」

「なんでわかるの?」

「なんとなく」

「ダメだよ、あたしより先に死んじゃ。困るよ」

「子供の面倒みてもらえなくなるから?(笑)」

「(笑)それももちろんあるけど、あたし、子供たちが巣立っていって、パパが先に死んじゃったら、じょりぃのところに転がり込もうと思ってるんだから(笑)。そういう計画ができてるの。だからあたしより先に死んじゃダメ」

「(笑)わかったよ」



「あたしきっと、話してくれるまでしつこく追求するよ」

「(笑)子供にも追求するの?」

「うん。するよ」

「パパにも?」

「パパはねー、いつもみたいにペラペラ会社の愚痴とかしゃべりまくられてるときは『あー、うざーい』と思ったりするんだけど、黙って考え込んでるときとかはすごく心配で『どうしたの?何かあったの?』って、やっぱりしつこい(笑)」

「(笑)」

「でも他の人には追求しないよ。どうでもいいし、あたしには関係ないもん」

「そっか」<ちょっと嬉しい



「愚痴もこぼしてよ」

「ありがとう」

「言ってね?」

「・・・愚痴をこぼすようなことがないだけだよ」

「・・・そっか。ないのか(笑)」



私の咳を心配してくれるナナ。
「病院に行った方がいいよ」

「うん」

「行きなよ」

「んー」

「あたし、一緒に行ってあげようか?(笑)」

「いやだよ(笑)」

「そうだよね」

いや、ホントはイヤじゃないんですよ。そこですぐに引っ込まないでください。



「手紙は捨てて」って、手紙のこと聞かれるたびに言ってるのに、また蒸し返すナナ。

「手紙はじゃあ、返しに行くよ」

「え!?なんで?イヤだよ。捨ててって言ってるじゃん!」

「ホントにいいの?」

「ホントにいいの」

「そうしてほしいの?」

「そうしてほしい。心から」

「せっかく書いてくれたのに。しかも時間かかったって言ってたじゃん」

「それは関係ない・・ていうか、だからイヤだ」

「かわいそうだよ」

「何が?」

「手紙が」

「生きてないよ、手紙(笑)」

「だって・・・捨ててほしいの?」

「うん」

「・・・やっぱ、返しに行く」

「今となっては返されるのはいちばんイヤだな。見たくないよ、自分の出した手紙なんて。封筒すら」

「そうなの?」

「うん」

「じゃ、あたし捨てずに持ってる」

「ダメ」

「なんで?」

「キミ、なくすから」

「なくさないよー」

「その点では信用できない」

「ひどーい」

「燃やすのがいちばんいいと思うけどな」

「そうなの?・・・ちゃんとなくさないようにするから、持ってていい?」

「燃やそうよ」

「・・・やっぱ、しまっとくよ。燃やすなんて、かわいそう」

「手紙そのものには感情はないよ。私がかわいそうってこと?」

「そうかも」

「私はかわいそうじゃないよ。そうしてほしいんだよ」

「本当に?」

「本当に」

「・・・わかった。   でも持ってるよ」

どーどーめぐりなのでありました。


電話を切る最後の最後になって、ナナが
「家族以外の人のことでこんなに考える事ってないよ。本当に、健康で幸せにしててくれればそれでいいんだけどさ」

友情とはありがたいものです。
なんて言いながら、ビミョーに物足りなくぢりぢりしてしまうのですが。
勝手なじょりぃは、友情のままでいるのもイヤだし、
かといってその先に進むのもコワイのです。
とはいえ、進もうと思っても進めないわけですが。 がく。


で、手紙はちゃんと捨てたんだろうな、ナナ。


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