リング 2005年06月19日(日)

まあまあだね。割と日本版に忠実だね。って、日本版は見てないけどね。小説は読んだね。怖かったね。ジャパネスクホラーだっけ? 日本のホラー独特の質感というか、間というか、小物遣いというか、映像というか、そういうのが新しい、みたいな。見ていても特に「おお、ここが」って感じはしなかったね。てのは、やっぱ足りないテイストがあるわけよ。ずばり「貧乏臭さ」。これがないと日本的な恐怖は出ないね。うん。まじで。団地とか借家とかでさ、壁はカビだらけだし、畳は湿っぽいし、立て付けは悪いし、水の出は悪いし、エレベータは止まりそうだし、もう何も出なくてもなんか居る!みたいな建物でね。で、怖い家に越しちゃっても、金ねーから引っ越せないってのがデフォルトじゃないとね。てゆーか、この間取りにしては破格の賃貸料みたいなことで引っ越しちゃってね。そこから「なんか昔あったな」って感じが出るわけよ。それに、金にまかせて調査しまくりってのはね、どうも、見ていて人ごとって感じがするね。やっぱり、調べたいけど、つてはないし、誰も助けてくれないし、んなことやってちゃ会社クビになっちゃうしとか、身動きが取れないわけ。子どももベビーシッターなんてもんは当然居ないし、幼稚園とか学校とかにおいておくと、ヤな顔されてさ。もう即「母親失格」みたいな目つきよ、先生方も。で、旦那は外に女こさえてるわ、介護が必要な年寄りがいるわ、詮索好きな隣人はいるわ、体目当てのパート先の上司はいるわで大変な状態。切羽詰まった生活の匂いが漂わないと、追いつめられるような気がしないわけ。もう、霊なんか出なくても、やるせない気分になるね。映画の作り自体もさ、「低予算」という感じが逆になんか怖いわけよ。『女優霊』とかさ、主役が柳ユーレイだよ、主役がだよ。柳ユーレイて。もう、ラストに死んでもおかしくない配役。ほら、グレードが高い俳優だと、「どうせ助かるんだろ」的安心感があったりするけどさ、まあ実際はどうなるかは別として、でも柳ユーレイだったら、容赦ない結末も有りって感じで見ていて油断できないわけ。画面もなんかざらざらしててさ、うっかりスタッフや余計なものが映り込んでいたり、変な音がはいっていたりしても、かえってそれが想像力をかきたてちゃうわけ。撮影中も事故が多かったりしてさ。当然、いっぱいいっぱいの状況で古い機材とか使ってるせいだけど。それが色々噂になるわけよ。だから、金をかけりゃ、怖くなるってもんじゃないね。『リング2』はすんごい予算らしいけどさ、金かければかけるだけ日本的怖さは失われるね。確実にね。貧乏にまさる恐怖無しってね。でもハリウッド版もそこそこいけてたけどね。モミジが出てきたりして、日本的というか、思わず「そうだ、京都に行こう」とか口ずさんじゃったりしてね。まあ、今一歩って感じかな。さあ、風呂入って寝るかね。って、皆(家人)もう寝ちゃってるよー。暗いよ。おいおい、あたし一人ッきりかい。やめてよ、一人にすんなよ。ちょっと。

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