ネタ帳

コノハナ【MAILHOME

性技の力 ファイヤーオン 17
2006年03月29日(水)

♪おーれは なみだをながさない〜 ダラッタァー

わたし、水木一郎の「い〜 ダラッタァー」のところの歌い方好き。

グレートマジンガー見ました。
グレート格好いいですね。いろんなところをとがらせてみました的なデザインが素晴らしい。私の薄れかかった記憶では、

鉄の城 マジンガーZ
偉大な勇者 グレートマジンガー
宇宙の王者 グレンダイザー

の中で、グレートが一番好きだったのですが、今みても、グレートマジンガーのシャープなデザインは、美の頂点といってよく、惚れ惚れする美しさです。

パーソナルジェットの傑作ブレーンコンドル。シャープでなめらかな黒塗りのボディ。無駄を省き機能美を極めた鋭利な武装。スクランブルダッシュ、サンダーブレーク、ブレストバーン・・・力強く美麗なネーミングの数々。しなやかさでありかつなめらか、優美でありかつ鋭利。重量感があり躍動感も兼ね備えたロボットの頂点グレートマジンガー。

ああ、グレート美しいですね。
OPラストの海からドバァッと飛び出して、垂直急上昇するときの、この重量感はどうでしょう。カイザーに足りないものはこれなんだよ。
重厚な機体、しかしながら鋭敏な動き。無機質でありながら有機的なものを感じさせる。そう体液を感じさせる機体。それがグレートマジンガー。まさにロボットの最高峰ですよ。グレートは。わたしは、グレートを越えるロボットはないと今でもそう思っていますもの。

マジンガーZ最終回で大仰に凹んだ私でしたが、いざ続編のグレートマジンガーが始まると、あっさりはまり、Zから鞍替えしてグレート贔屓になるのでした。裏切り者ですまんね。光子力研究所の諸君には、よろしくお伝えください。

お話のほうもグレートはいい感じですね。戦闘につぐ戦闘で、30分ずっと戦いっぱなし。ひたすら戦闘。火力使いまくりのド派手なメカアクション。戦闘第一に設計されたシンメントリーな科学要塞研究所。この最前線基地に仕掛けられた楽しい仕掛けの数々。スタンスがはっきりしていて、作っているほうに、迷いがないのが気持ちいい。ダイザーは作っているほうに迷いがあって、それが伝わってくるから、見ているほうも、迷いながらみていたもんね。
構成もZよりもしっかりしていて、話も安定。話数も五十数話と長すぎず、手堅くまとまっていて、手ごろな分量なのもいいですね。

Zはシリーズ構成がなきに等しかったもんね。
Zは回によってばらつきが大すぎ。面白い回とそうでない回との落差が大きいというよりも、その回担当の人が、みんなそれぞれ自分の最良の作を作ろうとしていて、各話の整合性を無視し、1話ごとのおもしろさを優先させているため、甲児とさやかの性格が回ごとに違う、これが気になってならなかった。特に甲児くんは演出家によって性格の統一が取れてなくて、話によってバラバラ。芹川演出の回なんて、どうしちゃったの今日は?ってぐらい前回の流れ無視して、はっちゃけていたもんね。

Zは1話完結が大前提の話で、ビデオのない時代の週1回日曜日のお楽しみ的番組だったので、そこを突っ込むのは野暮というものだけど、週に1回1話つづ見るのではなくて、
DVDがある今、まとめてみようとすると、んん?と、うなることが多い。Zはそういうところが目立つ話でした。もっとも、見ているうちにそれも慣れて、今日はどんな甲児くんかなぁ、誰の絵かなぁ、演出は誰だろうと、そのちぐはぐぶりも、楽しみの一つになりましたが。
その点、グレートは、回によって性格が豪快に異なるということもなく、安定してまとまっているので、落ち着いていますね。もちろん、安定している分、話が単調になりやすく、マンネり化しやすいという難点も所有していますが。しかしそのあたりは、話数がZやダイザーに比べて、だいぶ少ないので、マンネリ化する前に、最終回を迎えるのではないかと、前向きに予想しておきたいと思います。

そしてグレート名物乾いたメロドラマ。
これが泣ける!

私、申し訳ないけどグレンダイザーのメロドラマって、泣けないんだよね。なんでだかわからないのだけれど、ダイザーのゲストコマンダーの話って好みであるにもかかわらず、
どういうわけだか、泣けるまでには至らない。七十数話あっても、泣いたのは、キリカの回ぐらいで、大好きな銀河万丈と田中亮一の父息子もののズリルジュニアの回ですら泣けなかった。よっぽど甲児くんの扱いに腹を立てたのか、しめっぽいところに、しめっぽい話という演出が合わなかったのか、いい話だとは思うけどその程度。でも、グレートのメロドラマはつい涙を落としてしまうんだよ。これが。どこが違うんだろ。グレートはしめっぽくなくて、空気が乾いているところがよいのかな。

科学要塞研究所は、過去があって、陰の部分があるのがいいよね。
孤児に混血にサイボーグ博士。
陰のある人々。過去のある人々。
そんな血のつながらない擬似家族が、性別も国籍も過去も問わず、血を越えた繋がりで共に戦う。最前線基地で、戦闘のプロが焦燥感と寂寞感を抱えながら、休み無く戦ってる様が格好いい。
光子力研究所が、ヘルがいなくなって、やっと本来の業務に戻れたのとは対照的に、科学要塞研究所というのは、ミケーネ倒したら、存在する必要が無くなる場所なわけです。ミケーネを叩くという目的を看破してしまったら、ここは解散してしまう場所なわけで、なんとしてでもミケーネを倒したい、一刻も早くミケーネを打倒したい。そう思う一方で、ミケーネがいなくなってしまうと、もう自分が存在する理由がなくなってしまう、ここにいる理由がなくなってしまう、擬似家族が無くなってしまう、だから、心の中でどこか先延ばしにしていたい、いつまでも戦っていたい。そういう複雑な思いを抱えながら、闘っているっぽいところが私の心を捉えるのかな。

中でも数奇な運命をたどった甲児父(剣造博士)が、主役の鉄也以上に主役らしく、実子の甲児と養子の鉄也の間で、どういう思いで、司令室に立っているかと考えるとこみ上げてくるものがあります。擬似家族である鉄也やジュンとのやり取りや、血のつながらない鉄也とシローの交流、血のつながった剣造博士とシローの心の機微、このへんが涙が落ちるのを禁じえませんね。

この感触なら、最後を飾る甲児と鉄也の血のつながらない義兄弟の愛憎劇が、めちゃくちゃ期待できそうで、いまらか待ち遠しくてなりません。ああ、甲児くん、早くアメリカから帰ってこないかな。帰国する日が楽しみだな。甲児と鉄也のいがみ愛が、私は今とっても楽しみだ。

ところで、さきほどから、擬似家族という表現を使っていますが、実は光子力研究所の人々も、家庭環境に恵まれておらず、欠陥家庭で、擬似家族なんだよね。
甲児は、幼いころ母を実験中の事故で亡くし、父は自分のことを10年以上もほったらかしにして、他所の子を戦闘員として可愛がって育てているという欠陥家庭の子。養育してくれる親が不在のため、研究所でさやかとみさとさんと共に暮らすという某エヴァンゲリオンの初号機バイロットみたいな境遇の子です。
さやかは母がおらず、やはり親のいない甲児と、どういう家庭なのかまるで不明なみさとさんと毎日喧嘩しながら、一つ屋根で暮らすというやはり某2号機パイロットみたいな欠陥家庭の子です。
そして、みさとさんは、毎日、甲児やさやかの家事担当しつつ、V-TOLや戦車をバリバリ乗りこなし、コントロールタワー勤務という、これまた某ネルフのミサトさんみたいな年上の美人の女性。あんな危険なところに嫁入り前の娘を住み込み勤務させるなんて、親の気が知れませんが、彼女の家族についてはボスの親戚ということ以外不明です。わたしは案外はみさとさんというのは、父がミケーネ調査隊の一人でヘルに殺され、父の死を真相を知りたくて、それで光子力研究所にやってきた欠陥家族の子じゃないかと、あてずっぽうに思っていたりしますが。

とまあ、このように、彼らもけして、幸福な家庭の子ではありません。科学要塞研究所の人と同様欠陥家庭の子です。けれど、光子力研究所の人は、欠陥家庭といっても、天涯孤独というわけではないし、それになにより、そんな不幸な境遇をへとも思わせない底抜けの陽気さと余裕があるんだよね。このへんの対比がおもしろい。

そんな光子力研究所の甲児くんと、科学要塞研究所の鉄也は、グレートマジンガーの最後に、顔をあわせるわけです。さきほどから私が楽しみにしているのが、この二人の対面。というのも、甲児と鉄也って、養子と実子という血のつながらない兄弟の間柄で、剣造さんの一件がなければ、いい友のままでいられたんだけど、父の一件があったおかげて、一挙に愛憎劇に転落するんだよね。このへんがエリア88の神崎とシンみたいで私はとっても楽しみなんだ。

たとえるならさ、マジンガーZってはファントム無頼で、グレートマジンガーはエリア88
なんだよ。



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