ネタ帳

コノハナ【MAILHOME

この世の果てがこようとも 4
2005年12月21日(水)

甲児くんは学校でも女子生徒にモテモテでした。
まあ、そりゃそうだわな、大金持ちの美形の転校生というだけで話題独占なのに、運動神経抜群で嫌味なところも全然なく、普段は気取ったところのない2枚目半で、時に妙に礼儀正しいとくれば、女子は放っておくはずはありません。
兜くんカッコいいーキャーと黄色い声援を浴びる甲児くん。ボスともすっかり仲良しになって、今ではいい感じの仲間です。ボスも兜が好きで好きでしょうがないらしく、いつも「兜ォ兜ォ」と声をかけてきて、すっかりドカベンの岩鬼状態。ああ、ボスはいいやつですね。ボスと甲児の関係が実にいいです。さっぱりした気性は誰からも好かれるのでしょうか、先生も甲児くんのことはわりあいに大目にみてくれる様子です。
また研究所内では、弓教授からも頼りにされていて、もりもり・せわし・のっそり博士も手なづけて、さやかさんのいとこの幼女からも好意をよせられて、とにかく大変な人気の様子。兜甲児の人気は老若男女問いません。

一方さやかさんはというとあいかわらず、一日中研究所内にお勤め。ジジィと機械相手に、青春を費やす忙しい毎日です。甲児くんが学校にかよい、休みの日にはボスたちと楽しく伊豆の大仁まで遠乗りを楽しんでいるのに、さやかさんは、外出することもなく研究所内で内勤に励みます。
どうやら、さやかさんはいつも研究所内でスタンバイしていて、機械獣が現れると、学校にいる甲児くんの時計型通信機に連絡する係のようです。そして、甲児くんがいったん家に戻って、自宅駐車場においてあるホバーパイルダーに乗って研究所まで飛んできて、プールのなかから出てきたマジンガーZにパイルダーオンし、歩いて(!)、戦闘現場まで移動する間(かなりかかる)、偵察したり、敵を食い止めて時間稼ぎする担当のようです。
甲児くんは学校にいって空いた時間は好きなことしているのに、若いみそらで研究所内からでれないさやかさんが哀れです。

ああ、さやかさん、もたもたしていると、本当に他のヤツに甲児くんとらちゃいますよ。じゃじゃ馬ぶったところで、所詮さやかさんは人里はなれた研究所の箱入りお嬢さん。うっかりすると30すぎても平気で処女でいるタイプです。常識人で健康な男子の甲児くんの前に、他の女が現れたらそのときが危険です。女だけでなく、男だって油断がなりません。いや、人間だけでなくロボットや宇宙人も要注意です。このあと、フリード星からやってきた美形の王子に甲児がさらわれていく展開が待っているかと思うと、妄想の中でしか、犯してもらえないさやかさんが不憫になってきます。
しっかし、アニメの弓さやかはホント全然可愛くないな。豪ちゃんの描くさやかはあんなに可愛いのにさ。絶対、これ声で損していますよね。松島みのりのキンキン声は耐え難いものがあります。別にこの作品に限ったことではないけど、昔のアニメの女キャラの声はおばさんばっかりで、今聞くには正直辛いです。男性キャラはそんなことはないのに、女キャラはどれもこれもおばさんで、とてもじゃないが聞いていられません。

そして私は思い違いをしていましたが、兜兄弟は、研究所に居候しているわけではありませんでした。(どうもデビルマンとごっちゃになっていたらしい)
兜兄弟は、光子力研究所の近くにある山荘風のおしゃれなお屋敷に二人暮しをしていました。兜兄弟は弓家に世話をかけことなく、2人暮らしをしているのです。経済的にお手伝いさんを雇えないわけでもないのに、殊勝にも家事は交代でこなしている様子。立派じゃあありませんか。居候して大飯食らいで牧村家に迷惑掛けまくった(本当にな)不動明とは大違いです。ほんと上げ膳据え膳だった不動明は、これをみならうべきだと思いますよ。ああ、金持ちなんだけど、庶民的な暮らしぶりの兜兄弟の好感度は高まる一方です。男所帯なので、飾り気はありませんが、玄関の前にはもみの木もあって、お庭も広く、カントリーライフに憧れる人なら泣いてほしがりそうな山荘風のお屋敷、それが富士山麓にある兜邸です。

さて、こんなこざっぱりとした家の中で、甲児くんはなにをやっているかというと、机に向かって宿題をしていました。ああ、ドクターヘルが攻めてくるおかげで、授業もやすみがちで、勉強が遅れちゃっているから、おうちで勉強しないといけないんだねと思ったら、それは弟の宿題でした。・・・な、なんていい兄貴なんだ・・・あんなマッドサイエンティストからどうすればこんなできのいい兄弟が育つのか・・・というか、この人永井豪漫画の主人公のくせに、なんでこんなに常識人なんだ?
バカヤローと怒鳴りながら(ジャッキー石丸声で読んでね)、シローの宿題一所懸命解いている甲児にマジで萌えた。こ、こりゃ、たまらん・・・こんな兄がいたら、私一生嫁にいけん。

そして、Zの頭脳部ともいえるホバーパイルダーはこの家のガレージに無造作に止められているのでした。

お、おいッ、ちょっとまてー、そんなところに止めておいていいのかー。
私はてっきり研究所内に格納庫にあって、研究所から発進すると思っていましたが、違いました。ホバーパイルダーは自宅の半地下のガレージに普通に止まっていました。ものすごくさりげなく止めてあります。細かいことを気にしない兜家らしい男らしい一コマです。
なにしろマジンガーZは兜甲児の私物なのです。家に置いてあったっておかしくありません。
隣には甲児のバイクとシローの自転車もとめてあることでしょう。おそらくZのほうは、大きすぎて、置いておくがないので、研究所に置かしてもらっていると思われます。

そのためマジンガーを出動するときは、一旦家に帰って、自宅から発進しなければなりません。いいですか?基地から発進ではなくて、マジンガーは、兜邸から発進なのですよ?人類を守る切り札が、山荘風の自宅の駐車場から発進するのですよ?なんとまあ金持ちの趣味っぽい戦いではありませんか。

兜邸は富士山麓の山の中にあって不便なので、甲児の普段の足はバイクです。学校に行くときも遊びにいくにもバイクです。そして、有事の連絡を受け取ると甲児はこのバイクを飛ばして一旦帰宅して、それで、ガレージで裸になって戦闘服に着替えて、そこから発進して、光子力研究所にむかうのです。

なんか結構な手間です。最初から研究所に止めておいて24時間体制で待機していたほうがスクランブル発進できて効率がよさそうですが、なぜか家に置いてあるのです。弓教授も「あー、甲児くんの家からから発進するのは、時間がかかるし、あしゅら男爵に狙われるといけないから、研究所で預かろう。なんだったら、ここで暮らさないかね?さやかもよろこぶだろうし」ともいいだしてもよさそうですが、そんなことはいいません。いいのです。それでいいのです。マジンガーZは兜甲児の私物なのですから。彼が受け継いだ恐怖の遺産なのですから!
マジンガーZは戦争の話ではありません。マッドサイエンティストドクター・ヘルとマッドサイエンティスト兜十蔵の孫との趣味の戦いなのです。彼が受け継いだ恐怖の遺産との戦いなのです。

それにしても自宅駐車場に小型飛行機が止めてあるのって、格好いいと思いませんか?



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