ネタ帳

コノハナ【MAILHOME

PORSCH 911
2004年04月07日(水)

アニ○ックス組も最終話を迎えたようなので、今日は全12話を見終わっての総括を書こうと思います。

最初にこの企画を聞いたときは、話数が12話なんで、初期の短編の話をやるんじゃないかと思っておりました。
初期の短編話は1話完結型なので、この話数でも充分取り組み可能な内容だし、どの回も珠玉のエピソードなので、大きなはずしもなさそうですし、1クールアニメとしてはそれが一番妥当ではないかと思ったからです。
分量的にもちょうどいいので、きっとこの短編の中からいくらかチョイスして、オリキャラを出して交通整理し、12話にまとめあげるんだと、そんな風に思っておりました。

長い話なので、再構成するには、オリキャラを出すのも必要に応じては悪くないやり方だと思います。
カメラマンの目を通してA88という場所とそこに生きるエトランジェを写すというのは、話に導入しやすく、親切でわかりやすい設計だとも感じました。
下手に風呂敷広げて12話で収集がつかなくなって破綻するよりも、個々のエピソードをカメラにおさめて、手堅くまとめておいたほうが無難だけど間違いがありません。
それで地上空母編への布石を残しておいて、2nd stage製作にもっていく、そんな展開なれば万々歳だと思っておりました。
あれだけ長い話をやろうとしたら、それこそ、銀河英雄伝説並に腰をすえなきゃできないで、今回はとりあえず、砂漠基地編をやってくれればそれで充分だと、その時はそう思っていたのです。

大変良い具合に『頭文字D』の前例があるので、それに倣って、最初は1クールでも、放送後またしばらくしたら好評につきセカンドステージ製作決定、さらに好評のため次は劇場版にも着手、また評判がよくって、もう1ステージ追加・・・こうして深夜の低予算アニメだけれども人気作として成功して、それに比例しるように予算も増えていき、クオリティも高いものに練成されていく・・・とこんな感じになるのを私は願っていたのです。

初見での企画の印象は、コアな層よりも一般層を狙っているように思われたので、原作ファンには無かったことにされても、新規にファン獲得に成功して、そっちだけでも受けがよければ、まあ、それでいいんじゃないかなあと。
信者はどんな良作作ってもケチのつけたがるので、せめて新規層だけでも獲得できればいいかななんてことを考えていたものです。

振り返って見れば、はじまる前からすでにあきらめモード全開だったのですが、そんな絶望の暗黒の中にも、なんとかパンドラの底の希望を見出そうとしていたのでした。

まあ、いい付け加えるなら、本気で金もうけしたけりゃ、エリハチ世代の人は可処分所得も高いし、DVDだろうがCCCDだろうがモデルだろうが気に入れば、じゃんじゃん金を落とすので、こっちねらいのほうが収益は高そうなんですけどネ。
中高生にとっては高いDVDも、この世代なら払えない金額じゃないし、気に入ったものへの投資は惜しまない年齢ですし。
もっともお金落とす分、品質には多少五月蝿いでしょうが(ああとってもな!)気に入れば一通り何でも購入してくれる一番のお得意さまです。

噂に名高いいが○しゆみこのキャンディ商法あたりをみていると、このぐらいの世代の人はおしみなく金つぎ込みそうなんで、素直に原作に忠実にやっていたほうが純粋に儲けにはなったのではないでしょうか?
青春の思い出に大金払ってくれる人なんかは、新谷絵が動くだけで喜んじゃいそうだし、懐かしいあのの台詞が音声になって流れるだけで、浮かれちゃって買ってしまいそうです。確実にお金落してくれる層です。
A88あたりだと夫婦そろって好きって家もあるだろうから、うまくいくと2世代目のファンも開拓できるかもしれません。しかも男女問わずに。
懐古趣味の古参向けの展開でいっても、裾野が広がる要素は充分持っているように思われます。

新谷の少女漫画風の画が嫌いな人も多いけど、私はあの絵にたまらない魅力を感じていて、自分の中ではエリア88はきっぱりと少女漫画として区分されるので(女性も念頭に入れていたと思えるし)個人的には、少女漫画画風でも一向にかまわなかったりします。
いやむしろあれじゃないと、新谷作品って感じがしないです。
デフォルメきいた航空機や、見るたび違う表情豊かな顔じゃないと、どうも雰囲気でないんですぅ。
やっぱりサキは見るたび顔が違っていないとな!(こだわり)
松本絵じゃない松本作品とか車田絵じゃない車田作品とか美内絵じゃない美内作品とか、独特な絵柄は独特な絵柄でやってもらわないと、どうもその作品特有の持ち味が減ってしまったように感じられて、ものたりないように感じてしまいです。
だってさ、ヤッタラン副長が今風に美形のメガネっ子のモデラーにキャラデザされていたらやじゃん。

結果としては、一般層の新規開拓も厳しかったのではないかと思います。
たぶんa**x的には頭文字Dの2匹目のどじょうを狙うつもりだったのかもしれないけど、今回はちょっとその思惑が外れたのではないでしょうか。狙い通りにはいかなかったように思います。
たぶん製作側も、こんなに原作ファンが強烈だなんて思ってなかったと思うんですが、そこからしてリサーチ甘すぎなんだよッ!

んなもん、作品が作品だけにへんなもん投下したら、いつ爆撃しかねない勢いになるに決まってるだろッ!

誰かマップを呼べ!マップを!



予算が低いとか深夜枠とか、話数が限られているとかスケジュールの制約とか、時勢の配慮や上からの要請局の方針等等、もろもろの悪条件と諸般の事情が重なったことは想像するに難くありませんが、しかしながら、それは免罪符にはならないのです。
潤沢な資金が用意されていないことや製作時間に余裕がないこと、それは見れば自ずと解ります。
けれども、それを免罪符にしてもらっては困ります。免罪符にしてもらっては困るんです。
率直に言っちゃえば、製作側の都合なんぞは、視聴者には関係ないのです。
時間がないとか事情を抱えているとか、そんなことは、我々には関係ないんだよん☆
良質な品を見たいと願うのは、観客の自然の要求であります。
良いものであれば賞賛を惜しみなく与え、要求にそぐわないものでなければ意見を出す、それが視聴者の取るべき行動でありましょう。
クリエイター側も、ユーザーから提出された意見に耳を塞ぐことはすべきではないでしょう。たとえそれがどんなど素人の意見であっても。
批評がないところに文化は育ちません。

でもバッタもんエリハチの場合は、時間とか金といった物理的障害以前に、もっと根本的なところで間違っていて、観客が怒っているのはそっちのほうのような気がするんですけどね!
リサーチ不足からくる個々のボンミスや技術上の仔細な問題以上に、怒りの根源は別のところに存在するように思えます。
その最大の要因と思われるものが、原作物へのリスペクトの精神であることは、全視聴者のうちの88%の人が感じるところかもしれないわけですが、まあこの作品には、愛が感じられなければ、敬意も見られない。思い入れもなければ気合も伝わってこない、すなわちだたのやっつけ仕事にしかみえない、言うなれば自分が大切に保管していたものが掘り起こされて目の前で汚された感じ、己の魂が蹂躙されたみたいなもので、作品としての出来不出来以前に、ファンの神経を逆撫でることを平気で行っていることの厚顔無恥っぷりに腹立てているのかもしれないです。(っていうか腹たてた)

オタク的にはテ○朝とエイ○ックスを悪者にしておけばいいのだろうか。
原作販売促進アニメとして成功したといっていいのだろうかのう・・・



さあ、マップのポルシェ911が通るぞ、みんな道を空けろーっ!


以下検閲 強制削除  END




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