Espressoを飲みながら

2004年09月11日(土) 旅にまつわる思索

 かつて、いろんなところを旅してまわりたいと、激しく願ったことがありました。でも行きたいところのいくつかをまわっている内に、私が旅することを望んでいる場所、私の心の中のそのイメージと、現実に存在するその場所は全然別の物だということに気が付いてきたのです。だから、行きたいところがあっても、その場所に行って得られるのは得ることというよりも失うことばかりでした。つまりマドリッドに行って得られたのは自分の心の中のマドリッドを失うことであり、LAに行って得られたのもやはり心の中のLAを失うことであり、イスタンブールに行って得られたのも心の中のイスタンブールを失うことだったのです。

 ヒンドゥーのカルマの概念を思い出し、ひょっとしたら私はただ遠い過去にこれらの場所を訪れたいという強い気持ちを持ち、その感情をこの生において消化するためだけに旅をしているのかもしれないと思うようになりました。


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空遊 [MAIL]

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