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2004年06月25日(金)
 続・ブラウン君。


先日、巨大茶羽ゴキブリブラウン君が我スクールに発生したことは皆さんの記憶にも新しいだろう。
1週間の間、職員室の天井の隅っこに滞在したブラウン君は、病み上がりの中学生山田の手によって最期を迎えたのだが、ブラウン君は天涯孤独ではなかった。


そう、ブラウン君には家族が居たのだ。


ブラウン君が死んで2日も経たないうちに、家族がひょっこり顔を出すようになった。
ある時は先生の手によって、またある時は生徒の手によって、そしてまたある時はマジ泣きで半狂乱状態のワタシの手によってブラウン君の家族は抹殺され続けた。
ちなみにワタシは生まれて初めてゴキブリを殺した。
6日前のことだ。
職員室に誰も居ない授業中に現れやがったのだ。
給湯室で一服をしていたオレ様の5cm横をササッと通って行ったのだ。
ワタシは凄まじい悲鳴と涙ともに殺虫剤をシューシューかけながらゴキブリを追いまわした。
そして弱ったところに食器洗い洗剤をかけて殺した。
が、ワタシができたのはここまでで(つまり殺しっぱなし)、後はべそかいて放心状態のまま職員室に誰かが来てくれるのをうつろに待っていただけだった。
そして、魂が抜けた状態で「また出ました。」とスクール長に報告し帰ろうとしたところ、
「もしかしたらそのゴキブリは昨日の夜そのへんウロウロしてたヤツかもな。なんだか忙しそうにしてたから遊ばせといたんだ。それに『1匹居たら100匹は居る』というウワサはホントかもな。」
とあまりにもお気楽な返事にブチ切れた。
「軽く言わないで下さい!そしたらスクールはゴキブリだらけじゃないですか!ワタシ今月いっぱいで会社辞めますよ!」
発狂状態のワタシにスクール長は笑いながらこう言った。
「辞める前にゴキブリホイホイでも設置してみろ」と。
設置はいいが、もし捕獲成功した場合のホイホイの始末が激しくイヤだと言ったところ、それは責任持って俺がやるとスクール長が言うので、その命令を守ることにした。


翌日、ワタシはホイホイを買いに出かけた。
が、正直なところこんな古き時代の装置に捕まるゴキブリなどいるはずがないと思っていた。
それに、昨日殺したゴキブリが我スクール最期の生き残りであるかもしれないではないか。
きっと経費の無駄になるだろう・・・・そう思いながらもホイホイを購入し組立て始めたのだが・・・。


組立てはメチャクチャ楽しかった。


もちろん生まれて初めての体験だ。
こんなに面白いのならもっと早く購入すれば良かった。
当初、給湯室に1つだけ設置する予定だったのだが、調子こいてもう1つ組み立ててしまったので、職員室にも設置した。
ゴキブリが張り付くところに貼る誘引剤入りの餌の匂いも嗅いでみた。
ほぉー、ゴキブリはこういう匂いが好きなのか・・・。
なんだかワクワクした。
そんな心躍る発見をしながら、数日が過ぎた。
ワタシはいつの間にかホイホイのこともブラウン君のことも忘れ仕事に勤しんでいた。


そして月曜日。
朝一のことだった。
職員室で1人作業中のワタシの足元にあったホイホイから黒い糸がはみ出していた。
なんだろう?
そう思ってホイホイの中を覗いた瞬間、ワタシは腰が抜けた。


ブラウン君がざっくざく捕まっている!?


糸は触覚だったのだ。
こんな光景は生まれて初めてだった。
ワタシは慌てて給湯室のホイホイを見に行った。
すると同じように黒い糸がはみ出していた。
今度は恐ろしくて中を覗くことはできなかった。
ワタシは不幸にもいつもより早く出勤した数学教師に助けを求めた。
ちなみにヤツもブラウン君は大の苦手だ。
が、死んでいるならまだマシと言う彼は、使用済ホイホイの始末を快く引き受けてくれたのだが、そのまま袋に入れて縛って捨てようとする彼に、ワタシはこんな注文をつけた。
「先生、一応何匹取れたか確認して貰えますか?」
数学教師は一瞬凍りついた。
が、彼も中が気になったらしく、ホイホイの屋根をはずして中を確認してくれた。
その作業中ワタシが職員室から出ていたのは言うまでもない。(卑怯者)
そして、数学教師の報告にワタシは愕然とした。


職員室のホイホイにはブラウン君が3匹。(全て大型)
給湯室のホイホイにはブラウン君が2匹(もちろん大型)となぜだか分らないがムカデが1匹捕まっていたそうだ。


まさかこんなに捕まっているとは。
ワタシはホイホイを馬鹿にしたことを深く反省しながらも、我スクールのゴキブリの知能の低さに心底驚いたのだった。
更にワタシは数学教師に「生き返ったら怖いので踏んづけて潰してから捨てて下さいね♪」と満面の笑みで注文を重ねた。
彼は半べそをかきながらもワタシの注文を聞いてくれたようだった。


その後、ワタシは新しいホイホイをまた楽しく組立てて設置したのだが、やっぱり怖いので一度も中は確認していない。
そして、結局使用済ホイホイの始末もせず、「ほら!設置して良かっただろ!」と手柄を独り占めしたかのように微笑むスクール長が憎くてたまらない。
アンタがボリボリ菓子ばっか食べてるのが原因の1つだと思うんですがね、スクール長さんよ。






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