隠喩と暗喩の対話
日々の心象を抽象的な言葉で。隠喩のはけ口、いわばポエム。
悪魔が本格的に牙をむく6時間。 回り道をして回り道をして。それがたとえ堂々巡りであっても構わない。長い長い円運動の末、ようやく此処に戻ってきた。安堵と感懐もつかの間、大きく高度が下がっている事実に打ちのめされる。虚しく上を眺め、また長い長い円運動が続く。彼方遠く点になって視界から消えた。 深く深く潜って潜って落下して落下してたどり着いた海の底。光は届かない。時々物珍しげにチョウチンアンコウが近寄ってくるだけ。何もない海の底。誰もいない海の底。 ある日やってきた調査隊。いろいろ調べられて。ちょっとはお話して。そして上の世界へ帰っていった。虚しく上を眺め、また長い長い沈黙。彼方遠く点になって視界から消えた。 もう二度と戻ってくるつもりはないくせに、イカリを残していった。もう二度と戻って来ないのに、そのイカリから離れられない。鎖の先端が目の前に横たわっている。 それでも、このイカリに吊り上げられ、上の世界へ逝ける夢譚に耽溺する。浮き袋が破裂して即死することも知らずに。 何もない海の底。誰もいない海の底。でも線が一本あって、インターネットにつながっている。 Are you online?
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