フォーリアの日記
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2008年11月09日(日) ジャパン・シンフォニアのコンサート

晴海の第一生命ホールにジャパン・シンフォニアのコンサートに行ってきました。

初めのバルトークのルーマニア民族舞曲集を聞いた時に、これはいいオケだと思いました。
その清んだ和音とだらけるところのないリズム。
和音が合っているってこんな爽やかなことなんだと久々にその音色の中に浸りました。
低弦の音がストレートにこちらに飛んでくるし、木管のアンサンブルも美しい。
金管もうまい。ティンパニがまた圧巻です。
曲の出だしでは多少バラバラするところもあるように感じましたが、すぐに持ち直し、全体に好印象です。
この音色を指揮者が作っているのなら本当に指揮者ブラボーです。

でも、バイオリン協奏曲・・うーん書いていいのでしょうか。
ソリストはこのオケのコンサートミストレスで、後半のシューマンの2番ではオケの中で弾いています。
このオケの弱点はこのあたりにあるのでは?と思ってしまいましたが。

一言で言ってしまうと、水戸素子さんはソリストとしては技術不足なのではないでしょうか。
いや、素人がそんなこと言っていいのかどうかわかりませんが。
でも、先日から曲こそ違え、2人の若いソリストのバイオリン協奏曲を聞いています。
彼らは(といってもそれぞれですが)まだまだ未熟なところはたくさんありますが、ソリストとしての域に達しています。
でも水戸さんの場合ソリストとして演奏するのはちょっと無理ではないかと感じてしまいました。

いちばん苦になったのは無駄な力が入っていることです。
夫がチョン・キョンファみたいだといった大げさなアクションは表現しようという意思の表れであることはわかるのですが、
力が入っていると、それが音に乗っていないばかりでなく、かえって音の動き(指や弓の動き)や表現の自由度も奪ってしまいます。
そして直接見ていればもちろん見ないようにして聞いていても、聞いているほうも無駄に疲れてしまいます。
聞いているうちに、この曲はオケの方を主に聞くようになってしまいました。(防衛反応?)
オケだけなら大変いい音で抑揚のある演奏をしていました。

シューマンの2番では水戸さんがコンサートミストレスとしてバイオリンのトップに座りました。
大げさな動作で力が入っているのは相変わらずです。
ファーストバイオリンが出てくると全体が硬く感じられます。
オケのいい音とこの硬さを秤にかけたらプラスになるかマイナスになるか迷うところです。

曲想の中でフッと力を抜いて安らぐような音が欲しい所がありますが、そういうところはたいてい力が入ったままでした。
演奏の力が抜けないと聞くほうも力が抜けません。
それが原因で音楽そのものも単調に感じられてしまいます。
聞きながら、あ、ここで間がほしい・・・などと思ってしまった所も、
力が抜ければ間などなくてもよかったのではないかと思います。

その他の点では素晴らしいオケだけに、残念です。

ちなみに誤解なきようにお断りしておくと
チョン・キョンファは大げさな演奏をするので好き嫌いはあるでしょうが、
世界的なレベルのバイオリニストですから、無駄な力が入っているということはまったくありません。


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