すっぴん



■■ 心がほわん ■■
2001年08月11日(土)

ウチにやっと辿り着いた。
今日はチョロっと残業をした後、プラプラ夜の新宿を歩き、なんとなく疲れた。
早く帰って休みたい。それだけを考えていた。
ふと見ると、ウチのアパートの階段の前にがでーんと座っている。

ウッ....。猫

私は猫が怖い。猫ダケではなく、犬も怖い
それはどんなに小さくても、どんなに大きくても関係ない
犬や猫が私の近くにいるというダケで、私の心臓は高鳴る。
とにかく怖くて怖くてたまらないのだ。

「あっ、こいつ!前に隣のマンションのエントランスに私を閉じこめたヤツだ!」
すぐに気が付いた。
その猫は、ウチの近くに沢山いる野良猫の中でも、身体がでかく、神経も図太い
ちょっとやそっとの事ではビクともしなく、キモがすわっている。
以前、私がビクついて後ずさりした時、図々しくも付いてきた事がある。
あわてた私は、隣のマンションのエントランスに逃れ、30分近くガラス越しに睨み合った。
そんな苦い思い出のある猫だった。

又、そんな苦い思い出が頭をよぎった。
私は必死に『あーなーたーーーー!あーなーたーーー!!』と、部屋にいるハズの彼に助けを求めた。
しかし、何度呼びかけてみても彼からの反応はない。
生憎今日も携帯を忘れた。
また公衆電話まで戻らなきゃ...くぅ〜ぅ。めんどくさいなぁ。
そう思ったとき、隣の棟の男の子がバイクで帰ってきた。
アパートの前でうろうろしている私を怪訝な顔で見ている。

私は勇気を振り絞って言った。
『すっ...すいませーーーぇん 猫...あのっ、猫をシッシってな具合でおっぱらっては頂けませんか?』
と言ってみた。するとそのお兄さんは満面の笑みで『猫ですかー(にこにこ)良いですよ〜(にこにこ)どこですか〜(にこにこ)』
と言って、猫を『チュチュチュ』と、舌を鳴らし追っ払ってくれたのだ。
私は快く猫を追っ払ってくれた若い男の子に大きく感謝と感動をし、『本当にありがとうございました』とやっと部屋に帰ることが出来た。

本当にいい人だったな。
どうもありがとう....。

家に帰ると彼は間抜けな顔で、いびきまでかいて寝ていた。あ〜あ


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