気が向けば・・・。


この今の瞬間に過去も未来も入ってるらしいし(何時でも)この小っさな頭蓋の内に宇宙も入ってるらしいし(誰でも)
だから、ひょっとしてこの矛盾に溢れた日記も、何時かの誰かに繋がったりするかも、って思ったから
少しだけ秘密度を緩めました。



子ども虐待防止「オレンジリボン運動」

2005年12月16日(金) もしかしたらこれが息子と二人の最後のデートになるかもしれない散歩

木曜と金曜、息子の学校が休みで、彼はまた羽を伸ばして一人で自転車での散歩に行きたそうだった。
こんなご時勢、事故や事件に対する一抹の不安が脳裏をよぎるのと、たまに息子とちゃんと語らう時間も欲しかったので、提案をしてみた。
私を、どっかに連れて行って欲しいと。
いつも自転車で往復してきては得意気に報告してくる、蛇崩川の、源流から目黒川合流点までの道について。
それを一緒に歩くことになった。

弦巻のほうにある馬事公苑、その近くに蛇崩川の源流(見えないけど)がある。まずそこまで歩いて行って、あとはひたすら川の流れ通りに下ってきた。
この川は今は暗渠なので、散歩道の地下を流れているが、息子は知っている限りの知識を嬉しそうに語る。
ほらここの道幅にくらべて向こうは狭いでしょ、こっちよりもこっちが低いでしょ、ここの道路はこんなカーブでしょ、だからこれは支流が合流するところだよ。このマンホールからよく音が聞こえるよね。この橋の名前を見るともう一つ先の橋の名前も判るよ。このあたりの昔の地名がここに残ってるよ。この道路脇の家々は玄関が面してなくて、勝手口だけあるよね。それは昔ここが川の崖だったからだよ。勝手口は後からつけたものだと思うよ。
・・・・などなど、驚くほどの速さでどんどん歩く。ついていくのに精一杯だ。
27歳の歳の差を思い知らされる。歩きやすい靴を履いてきたつもりだったけど、私の腰とふくらはぎと足首は限界まできていた。
だけど案外、ちゃんとこっちの事情を思いやって、判りやすい見所ポイントに案内してくれるし、どうも母親は若くないんだなと気づいてくれてからは、速度を落としてくれてた。

娘の下校する時間に間に合わせるべく、一日目は小学校近くの緑道沿いの、とあるお店でランチをして帰った。その店はアットホームな内装で12歳以下は入れないところだ。息子が先月13歳になっていてよかった。最初はそういう店にやや緊張していたようだし、カレーライスが思いのほか辛かったようだけれど、デザートに食べたクレームブリュレに満足したみたい。

二日目は朝のうち中学の保護者面談があったので、その帰りに自由が丘で待ち合わせてから、息子のズボンを買う。普段私が良かれと思って買ってきても、気に入らないと穿いてくれないので、今日は子供の立会いのもとで選べば文句ないでしょ、というわけだ。やれジーンズはアメリカかぶれでダメだのコーデュロイはどうも恥ずかしいだのベージュはどっちかというと困るだの言うので、選択肢が非常に少ない。
それを買って、中目黒で簡単な昼食を取り、目黒川の合流点へ。そこから今度は上流に向かって緑道を登っていった。ほらここから緑道の管理区が違うから雰囲気が変わるでしょ、とかまたトリビアを聞かされる。でも体を動かしながらしゃべるのって、なかなか爽やかだ。ゴールは前日歩いた道まで。その間の橋の名前をすっかり記憶している彼は、もうこの道を6〜7回は通ったという。

その朝の、先生との面談で、気になることを言われた。勉強の成績はとても良いんだけれど、息子は休み時間に一人で廊下をぶらぶらしていることがかなり多いらしい。
そうだろうと想像がついてはいた。彼は友達と積極的に一緒に過ごすほうではなさそうだ。どうも一人を好む傾向がある。
でも家でクラスメートのことを楽しそうに話す内容を聞く限り、彼は人間嫌いでもないし、結構友達からも、かまってもらってるようだ。
ただ、行儀の悪い子のことをちょっと許せなかったりとか、もうはや彼女なんか作る奴の気が知れないだとか、独特の道徳観が確かに彼にはあるようで、内心は自分に甘く他人に厳しいんじゃないだろうか。その辺が気になる。
彼に話した。もう少し、人に対して関心を深めたほうがいいと思う、と。興味ないと思っていても、とりあえあず他人と一緒に過ごす時間を長くしたほうがいい。男の子は学校時代しか、対等に付き合える友達がこんなに回りにいる環境にめぐまれることはないと思うから。
でも実は担任の先生が心配するほどには、私は心配してない。家で見せる息子の顔を知っているから。そして自分の生い立ちも参考にすると、なお楽観できる。私なんか中学一年生の頃は、話をしたい友達もいないし、学校に行きたくもなかった。開花するのが、ものすごく遅かった。でも今は、こんなだ。
だから気長に見守りたいと思う。


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