気が向けば・・・。


この今の瞬間に過去も未来も入ってるらしいし(何時でも)この小っさな頭蓋の内に宇宙も入ってるらしいし(誰でも)
だから、ひょっとしてこの矛盾に溢れた日記も、何時かの誰かに繋がったりするかも、って思ったから
少しだけ秘密度を緩めました。



子ども虐待防止「オレンジリボン運動」

2001年11月27日(火) ママがいなくなれば

最近、いや前から、息子は持ち帰るべき配布物や教科書を、学校の机に入れっぱなしだったり、
園から娘を連れて帰ると先に帰っていた息子が鍵を開けたあとその鍵をドアに挿しっぱなしだったり、
非常にポカが多いので、私もつい口うるさく念を押すようになってしまっていた。
こんなこと今更言っておかなくても、というようなことまで先回りして注意するので、我ながらうるさい。
だって言わないでいたら、ほんっとに忘れてくるし。
まあ、忘れたら忘れたで少し自分で困って身にしみるのもいいが、
あんまり無用心だったり、プリントを読めなくて私が困ってしまうのもヤダからねえ。

そんな中、月曜の朝も、万が一忘れちゃいけないと思うあまり、登校前の子供に
「今日は月曜だから算数教室の日だよね。忘れて誰かと約束して来ないようにね。
それから、うちに見当たらないジャケット、きっと学校だから忘れず探して持ってきてよね。
こないだ国語の教科書学校に置いてきちゃって宿題できなかったでしょ。今日は持って帰りなさいね。」
等等、くどく注意したら、「わかってるよ!赤ちゃん扱いしないでよ」といい残して出て行った。

帰宅してからも彼はとても不機嫌だった。「あっ、先に手洗いとうがいをしてよ」返事がない。
算数に行って帰ってからもふてくされている。
娘は熱を出して寝ている。あまりうるさくされてもイヤだと思い、
「一休みしたら、今のうちに宿題やってカバン揃えてしまうといいよ」と言うと「わかってるって!」
ちょっとくどかったかなーと思ったけど、静かに宿題の日記を書き出したようだ。
(毎日、その日の日記を宿題として提出することになっている)
ところがしきりに鼻をすすっているので寒いのかと思ってみると、泣きながら書いている。
慌ててどうしたのかと聞いた。また何か学校の友達とうまくいかなかったとか?
じゃなくて、日記に私への恨みつらみが書いてある。
「ママはぼくをあかちゃんあつかいしてすごくいやだ。ころしたいくらいきらいだ。ママが消えてしまえばいいとおもう」

「ふーん・・・。」私は絶句して台所へ向かった。本当ならここで「ママが悪かったよ、許してね」とか言うべきなのだろう。
そういう気分にとてもなれなかった。
私はおとなげない。虚しさと悲しさに胸がいっぱいになりながら煮込みうどんを作った。
風邪予防には、あったかい汁物がいいから。
つとめて平静を装って「ご飯できたよ」席についた子供達。
「熱いから、上のほうから少しずつとって、ふーふーって冷ましながら食べるんだよ」2人が返事した。
「ううん、お兄ちゃんにいったんじゃないよ。だってお兄ちゃんだから分かってるでしょ。あかちゃんじゃないんだもんね。」
すごく意地悪な私。これで追い討ちをかけたせいで息子がまたうるうるし始めた。私もこみ上げてきた。
「今日は風邪にいいと思っておうどんにしたよ。みんなが健康でいてくれたらいいと思ってごはんをつくってるんだよ。
でも明日からはひとりでごはん作って食べてね。ママなんかいなくても大丈夫だよね、もう大きいんだもんね。寂しいけど。」
と言いながら自分の意地悪さに悲しくてなにも喉をとおらない。
子供はこらえきれなくて号泣した。「ちがうよー、ほんとは好きなんだよー!」
単にこのセリフを聞きたかっただけなんじゃないか、と私も泣いた。「ごめん、ごめんね。分かってるから。もういいから。もういいよ」

こんなふうに子供に憎まれ、子供を困らせ、泣かせ、言うことをきかせ、それって私が子供の頃、親や親族に対して一番、止めて欲しかったことなんだ。
でも「こんなに子供のことを考えて頑張ってるのに!」という感情ってやっぱりある。ぶつけちゃいけないのにぶつけてる。
迷惑千万なのを承知でやってしまうのは、どうしてだろう。
子供を信用できないのは、自分を信用できないのとほとんど同じなのに。
翌日の火曜午後、学校の保護者個人面談。
「実はこんな内容の日記を提出したようですけど・・・」と先生に切り出した。
でも先生が奥から出してきた、うちの子が出した日記を見たら、昨日書いていたのと微妙に違う。
前の晩、子供が自ら内容を修正して、提出したのだった。
「あんまりぼくのことを赤ちゃんあつかいするので、ママがいなくなればいいと言ってけんかしたけど、仲直りしました。」
と書いてある。
先生と15分ほどいろいろとお話して、学校の様子もわかったし、先生も気持ちをきめ細かく見てくださる人なので、安心した。
息子の「・・・仲直り・・・」の字が、いつまでも脳裏に浮かんでた。


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