着物を解いていたら 裏地の木綿に ハンコが押してあった
伊藤萬株式會社 とあって 他にも何やら字が見え 年月日も入っている 木綿は白である
そして 八掛の錦紗に見える ピンク色の生地の端には アサヒ ベンベルグ と片仮名表記があった
木綿の方は 1929年 らしいのだが 果たしてそんな昔から 旭化成のベンベルグが 存在したのだろうか
調べてみると 1931年から ベンベルグの工場を操業 とあったので ちょっと驚いた
燃やしてみてはいないが 細く細く しなやかな繊維は 記述がなければ 絹と見紛うほど
繊維問屋の会社によって 輸入されたであろう 木綿と 国産の化学繊維が 着物の裏で ひとつに結ばれている
長い時を超えて 仕付けがついたまま わたしの手元に やって来たのだった
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