以前 引っ越し衝動が 湧き上がっていた頃 気になる貼り紙があった
大家さんから かつては別の所にも 貼り紙をしていた と聞いて 突然その光景を 思い出した
前を通るたび どこだろうと眺めていた 七部屋で庭付きの 筆字の貼り紙は 確かに今回見たのと よく似ていた
けれどあの時は 電話をするに至らず いずれ相応しい時に 相応しい場所が 準備されるのだろうと 自分を宥めたのだった
あれはお盆だったので 何らか死者の采配 って気もしたのだけれど 今度の家では 誰も亡くなっていない
とすると この家絡みなのか 借地に建つ 古い家をどうするのか かつて大家さんは あげてもいい とさえ言っていたけれど
それはどう考えても わたしが負うことではない 近隣はこれから 亡くなる人を 見送るばかりで 同じような家が増えるだろう
そんなあれこれを含めて ようやく 機が熟した感覚と いずれは こうなるように準備されていた かもしれない思いを じっくり確かめている
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