何かをかたち作る パワーはないが 解くことなら できそうな気がして 夕べは袷を二本
もしこれが 誰か大切な人の着物なら 亡くして直ぐは 見るのも辛いから 暫くはそのままだろう
以前テレビで 遺品の整理業者を取り上げていて なにひとつ手元に置かず 全てを処分してもらう 何人もの遺族に 驚いたけれども 時間の経過に関わらず そういう人がいるのも今なら解る
けれどもし ようやく出して見る気になって それで何かを作ろうと思い 解き始めることができたなら それはきっと着物だけではなく 自分自身にとっても 再生への一歩となる
実際には わたしが手にしている着物の主は まだどこかに存在しているかもしれず そこに何かの物語を 乗せる余地はないけれど それでも少し 踏み出せた気がするのは何故か
きっと 復活への 象徴としての意味が この行為に込められているからだ 何度折れても立ち上がる 立ち上がり方は判らなくても 解いているだけで 少し先を一緒に見ることができる
はらはらと 外れた裏地の下から 表とは違う色を発見し 風に翻った時のその色を リメイクした服に想像する そして そんな自分に気付いて 大丈夫かもしれない と思えるのだった
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