和布から作る 直線裁ちの服は 戦後創刊された 美しい暮らしの手帖で 編集長花森安治が 自らデザインして 普及に努めたという
その目的は 着物の再利用という 実利的な側面だけではなく 和布が持つ 美しさと伝統を生かした 日本ならではの 服飾文化を育てたかった
洋裁の変遷を調べるまで わたしは彼のことを 全く知らなかったが その価値観には 共感する部分があまりに多く それだけに 複雑な気持ちになった
豊かで美しい家庭 平和な生活 そんなコンセプトの雑誌の中で 彼が求めた日本の服は まるで 戦争のための服から 変遷を遂げた洋服への アンチテーゼのようで
なのに それはあっという間に 一時の流行のように消え そしてまた 時代の流れの中で 単に嗜好品の素材として 和布が扱われるだけになってしまった
リメイクすることの意義は ひょっとしたら 戦争を知らない世代にこそある 語り継げる人達が 次第に少なくなって行く時代に 戦わない服を縫うことで きっと伝えられる心がある
だからせめて どこにも代わりがいない わたしの旗として 端布を繋ぎ合わせよう
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