いつもの場所に 自転車を停めるとき その細い道の向こうから 女性が歩いてきた
見知らぬ人と そんな風にすれ違うのは 近づく間に少し気まずい お互い相手の存在が 眼に入っているのを 感じるだけに余計に
だから言って見る おはようございます すると相手からも 同じ言葉が返ってくる ただそれだけでホッとする
逆の時もある 先に向こうから発せられて ちゃんと最初から 用意していたみたいに 自然に応えてみる
若い頃旅行したとき うっかりひとりで 危険な居住区に 入り込んでしまったことがあって 早く出なきゃと焦った
きっとわたしの顔は こわばっていたはずなのに とある家の前を通ったとき 庭に立っていた人から 優しい声で ハローと言われて ふっと緊張が解けた
そのハローは わたしはあなたに 敵意はありませんよ というメッセージだと思えた そんな風に見知らぬ外国人に 声を掛けることができる フランクさが沁みた
もうあれから何十年 この国で この土地に来るまで そんなことは経験がない 都会ではなんだか 周り中が敵みたいに 取り澄ましていた
何故なんだろうな わかんないけど
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