ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2010年06月16日(水) ハムレット

1996年製作の
ハムレットを観た

原作は記憶の彼方で
あらすじさえ
ほとんど覚えていないのだが
だからこそ
セリフの省略がないという
この映画を観る価値があった

父の亡霊に
叔父の計略を告げられ
仇を討ちたいと思いながらも
錯乱するハムレットの姿は
今で言えば
父親の視点をどうやって
自分の中に取り込み
自立して行くか
の物語かもしれない

のほほんと育った王子様が
生臭い現実を知ったとき
ただ亡き王の手足となって
目的を遂げるのではなく
チャンスがありながら
相応しい時を待つ
というのは
そういう事ではないだろうか

母を取られた嫉妬は当初
息子としての自分と
父の視点が混在していたが
やがて母に箴言する頃には
それまでのハムレットではなくなった
ある意味その場面は
象徴的な母殺しなのだと思う

母殺しができていないうちは
一人の女性を
きちんと愛することもできない
それもまた
自立へのひとつの手がかりとして
重要なエポックに違いない

それらの事は
取り返しのつかない
悲劇と引き換えでなければ
気付きようもないのだが
これほど演劇的でないにしろ
似たようなことは
現代人の中にも映し出せる

人間の欲望や野心など
暗部を捉えたとは
よく評される作品だけれど
普遍的な心的成長の物語
とも取れるのは
意外な発見だった


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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