何度書こうと思っても どんな切り口で始めても 無力感しか出て来ず 記したその文字の連なりに 自分でほとほと嫌になる
なので リス君の近況でも
ええと 夏の対策として 土間から冷気が通るように 設置した台所のロール式網戸を ヤツはすっかり見切って どんな障害物を置いても 上から網づたいに ヤモリのように降りてきて ぐりぐりと無理やり隙間を開けて 掻い潜るようになってしまった
んで なんか気配がないのを不審に思い 名前を呼びながら二階へ行くと 涼しい顔で 室内の干しものの上で 憩っていたりする 時には恐ろしいことに 戸外への穴が開いた 屋根近くから ズリズリと降りてきたりする
わたしに発見されると ぴゅーっと走って 階段を転げるように落ち さっさと台所へ戻っていくか または途中ではたと止まり わたしを待って ゴメンナサイとでも言うように 肩に乗ってくるかなのだ
本当に ヤツが外へ出るのも 時間の問題かもしれない 気配がないといつも そんなサイアクの状況を覚悟しつつ 好きに家と戸外を出入りする 夢のリス君にならないかと 極めて楽観的に考えようとする
そんな日々を過ごしたあげく 少し前から網戸を諦め ドアを閉めるようになった かなり暑くなってしまうが 理由のない楽観のあげく あの癒し君を失っては たぶん一生立ち直れないし 自分を許すことができないだろう
扇風機を一日中ぶんぶん回し 人間が一緒にいて見張れる時にだけ 網戸を使いして ようやく少し涼しくなったこの頃 驚くことにヤツはもう 自分でこぼした巣材を集めて 寝床へと運ぶようになった
どうやら この夏は無事に終わりそうで 心からホッとした
これまで病気ひとつせずに 元気に一緒に暮らせたけれど あとどれ位の夏を こうして越せるのだろうと思うと その縞模様の つやつやした毛並みに 触れずにはいられないのだった
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