桜の蕾が ようやくほころび始めた まだ空気はつめたく 満開にはしばらく間がありそう 少しのオフを作って どんどん変わって行くこの季節を 逃さず味わうために野山へ出た
ケモノだけが通った道を 抜け落ちた鹿の冬毛を踏みしめて 探検隊さながらに いく手を阻む笹を掻き分け進む まだこの春は 誰も手を触れていない株から こごみを一本ずつ手折る
そんなに苦労するほど美味しいか と聞かれたら 正直上手く答えられない けれどもたぶんその味は 自分で採ったという実感と 分かちがたく繋がっている
バイト先でも同じく やってきたお客さんと きちんと顔を見ながら 会話を交わすことができる そういう小さな実感が 日々必ずあるということは わたしを元気にしてくれる
実感がいい循環を生み出す と しみじみ思うこの頃 そんな中 ちょっと遠かった分野でも 大きな実感を得ることができた 正直言って これに勝るヨロコビなんてない
わたしの中で いち早く桜が咲いたみたいだ
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