わくわく市のお陰で もう少し このままの生活を続けていられる 猶予をもらえた
後悔なくひとつの布を生かしたい という自分のこだわりと リメイクの過程にまつわる全ては 効率とか商材として考えられるスタンスとは どうしても矛盾していて そこに囚われると リメイクの根本からを否定したくなる
母にジャケットを縫ってから そこを切り離すことが 自然にできるようになった ギリギリまでこの価値観でやって 無理なら 生活は他で成り立たせればいい そう思ったら 相反するものをリメイクに乗せる苦しさが すうっと消えた
二兎を追うほどわたしは器用ではないから いつか 布への思いなんて遠い過去になって ただ目の前の仕事に 集中するときが来るのかもしれない けれども 少なくとも今この瞬間は違う
楽しみにしていた 深い緑の鬼しぼ縮緬を解くことができる その手触りを味わい それがいいと思った幽玄な花の 裏側から 鮮やかな色があらわれて 背筋がぞくっとする
もともと持っていたその色が 着られるうちに褪せたのだと判ったとき どちらの色もいとおしくて 両方を使ってあげたいと思う 表にそのふたつを並べるなんて 果たして自然にできるだろうか
また そんなことから一歩を踏み出す
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