ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2007年05月24日(木) 秘密の扉

石膏の白い壁に
出来上がった服を掛ける
その動作がまるで
予め定まっていた儀式のようで
なのに今
初めて見る服のようでもあり
本当に自分が作ったものなのかと
信じられない気持ちになる

最後の糸を切ったとき
ようやくつまびらかになる
そこに向かっていたはずの全貌
イメージはしょせんイメージでしかなく
それは目指す完成形というより
最初の一歩を踏み出すための
エネルギーチャージだったのかもしれない

細部の過程で何度も思う
あえて何故これを盛り込むのか
もっと作り易い方法でいいのに
でもそれは
形とかデザイン以上に
無視できない必然があって
そこに気づくともう他の方法は取れない
スキルがなくてもやるっきゃないのだ

そうやって手を止めては
準備し
またミシンに向かうとき
いつも針を下ろすのが怖い
戻れない初めての領域に入ってしまうようで
その一針に勇気を奮い起こす
他の何をしても味わえない緊張感

なのに涸れない
次の過程では
いったいどんなことを導き出すのか
わたしの引き出しの中は空っぽなのに
どこからそれがやってくるのか
こんなに苦手な縫いなのに
秘密の扉がどこかにあるような気がして

好きとか嫌いとかじゃなく
リメイクを通してでないと
感じられない自分がある
それは
いつも知っているはずのわたしとは違う
わたしであってわたしでない
その不思議を
もっと知りたいと思うのだ


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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