たくさんの古い着物を見 絹の織り布でスカートを縫っていると やりたいことはいろいろあるけれど 間違いなくわたしを シアワセにしてくれるこのことに向かって もう一歩進んでみようと思えた
それで下のコと散歩がてら 古物商の認可について 詳しく聞こうと警察署へ出かけた 結局担当のひとが不在で 平日に再訪することになり そのあとあちこち歩いて 土筆やふきのとうや 自生しているからし菜や三つ葉を摘んだ
帰り道 いつもわたしが通ったことのない 狭い路地をムスコに案内され 使われなくなった古いタイルの 手洗い水槽や いい感じに古びた木箱やらが 無造作に道の脇に置いてあるのを見ては 断わってもらってきたい気持ちに駆られた
そうしていつもの道に戻ると なにやら重機で取り壊し中の家がある すぐ近所なのに いつから掛かっていたのか 既に半分は壊され 残っている奥のスペースに ちらりと古い家具が見えた
ムスコの 聞いてみればお母さん という言葉に押され 作業をしている人に声を掛けると どうせ全部捨ててしまうので 作業を休む明日のうちに 好きなのがあったら 持って行ってもいいとのこと
それから 夕方会う予定のKさんが Nさんを連れてやってきて 作業の終わった家の中をくまなく探索 いかにもレトロなガラス戸の棚や 大きな布団箪笥や 立てかけて使っていた小さな階段など もうどれも素敵なものばかり そのあと暗くなってからHさんも一緒に 今度は懐中電灯のあかりで見に行った
さあて期限は明日 みんなそれぞれ予定があって 明るいうちに集まれそうもない しかも運ぶには大きな車が必要だし 悩んだ末SさんにSOS 古物好きのキャリアは わたしなんかより遥かに長い大先輩 なにをどう持って来られるか解らないけれど 楽しみ楽しみ
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