愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
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今月末はまあまあ立て込んでおりまして、今後しばらくは日記を書けない予感です。また来月入って落ち着いたら続きを書けたらいいなーと思っております。 それでは続きです。
真田は、嘘みたい…、とか思いながら、帰宅しました。帰ってから、母に、若菜家も若菜の友達(郭)もクッキー美味しいと喜んでたと言うと、「ほんとに!?」と大喜びでした。郭のことは、「若菜の友達で、若菜と同じマンションのD高生」と伝えてて、実際そうなんだけど、友達の友達ではなく、友達、って堂々と言える日が来るといいな、と真田は思ってる。ついでに、名前で呼び合えたらいいな、とも。 (あっ! 連絡先、聞いとけばよかった! それにしても結人の奴…) なんか一言言っとこ(でも、結果的にはこれでよかったんだけど)、と思って携帯を出すと、若菜から、LINEのグループ招待がきてる。若菜と郭と真田の、三人のグループだよ。 『今日はすまん。楽しかったか?』 『郭、今日はありがとう。 結人、今日は楽しかっただろうな。彼女とデートだって?』 『バレてるし。すまん。彼女都合で、約束が土曜から日曜になっちゃった。ちなみに、彼女とは、夏期講習で知り合った。G女(高校)の子』 『真田、こちらこそありがとう。 結人の彼女の話はどうでもいい。あと、結人は知ってると思うけど、俺はLINEで雑談はしないのでよろしく』 『一馬、英士はこういう奴だけどいいの?』 『俺も雑談はあんまり…』 『いいよ? お前らとLINEで雑談しても面白くないから! そんで、今日楽しかったかって聞いてんのに、それは秘密なのかよ』
翌日(月曜)、学校で。ちなみに、真田と若菜は別のクラスです。 「俺、郭に、たまに勉強教えてもらえることになった!」 「ほー、嬉しそうだな」 「嬉しいよ」 「あっそー。まあ頑張れ」 「いや、真面目な話、結人こそ頑張った方がいいよ。何しに塾行ってんの? 塾代もったいない」(嫌味ではなく素です) 「ほんと余計なお世話だから」 「同じ塾の彼女、可愛い?」 「何だよ、急に。可愛いに決まってる」 「…郭って、彼女とかいるのかな」 「あ、その問いに繋げたかったわけ。そんなん本人に聞けよ。中学んときは、意外とモテてたぞ」 「そうなんだ。やっぱり…」 「なーにがやっぱりだよ。意外だろ。小学校んときは、全然そんな感じじゃなくて、暗くて近寄りがたい的な。それが中学になったら、クールでいいみたいな。は? なんだそりゃ! 女子意味分からん!」 「結人って、変なとこで熱くなるよな」 「まー、でも、中学のときは彼女いなかったな。今は知らん。どうでもいいし。D高って可愛い子あんまりいなさそうだよな」 「普通にいると思うよ」 「D高行くくらい頭良くてしかも可愛いって、それきっと性格がよくないぞ」 「うわー、偏見…」
帰宅後。若菜は暇があると、郭んちに雑談しに行きます。一応連絡するけど、突然の時もあり、郭に迷惑がられてる。携帯で雑談に応じないなら直接行くまでよ、ってな感じ。迷惑。郭家は、父親がいません。母親が遅くまで仕事のことが多い。郭には姉がいるが、就職して独立しています。郭は家事を大概こなせるよ。 「お前がタダで勉強みてやるなんて、すごいことじゃん」 「ついでに結人もみてやろうか」 「やだー。塾行ってるしー。お前に何かを教えてもらうということ自体やだ」 「俺もやる気ない奴に教えるのは、お金貰っても疲れるから嫌だ」 「一馬はさぞやる気がおありでしょうな」 「あるよ」 「英士と仲良くなりたいという下心もあるかもしれん」 「なんでお前はそういうことを」 「あってもいいじゃん。一馬のこと嫌なら、勉強なんてみないだろ」 「それはそうだ。嫌じゃない。嫌になるような出来事は起こってない。今後起こったらみるのやめるだけ」 「ケケケ」 「何その笑い方」 「だって英士が、クールぶって言い訳してるから。笑っちゃう。ケケケケケ」 「お前もう帰れば」 「もっと雑談しよーよー。うち、まだ晩飯できてないんだよー」 なんとか若菜を帰らせて、郭は考える。何故こうなったのかと。図書館で真田に、話がある、と言われたとき、どうして軽く流せなかったのか。その後、分からない問題を教えてほしいと言われたときも。結局、たまに勉強みることになったし。面倒なことになったら嫌だ、と思っていたはずなのに、無下にはできない、という気持ちの方が強かった。結人の友達だから? まさか、それはない。そんなことを配慮してやる甘さも、そんなことが気にかかる繊細さも持ち合わせていない。何かの縁を感じてる? いや、妙な場面でよく遭遇するな、とは思うけど、そんな縁、正直困る。それなら、何故? 結局、多少面倒なことになったとしても構わないと思った、思ってる、ということだ。それって…。
翌日、火曜日、真田がシフト入ってる日。コンビニに郭が来ます。ちょうど客足が途絶えてて、まあまあ暇な雰囲気のときだった。 「あっ!」 真田は、わー! って気持ちになる。レジ袋やらの補充をしてたけど、自分は今何してるんだっけ、みたいになる。 郭は商品を取ると、真田のいるレジに来る。 「おつかれ。額、大丈夫? 赤くなってるけど」 「あ、ちょっと赤いだけで、もう、全然、何とも」 あー、初めて、レジする…。緊張する。でも、感動する …ん? 感動? ただレジするだけで? 「普通にできるね」 「一応、普通にできます…」 そしたら、郭が、ちょっと笑った。 (あー…、笑った…) これ、どういうこと? 郭が笑って、それで、それだけで、自分はちょっと、泣けてきそうになるって。 (笑った顔、可愛いなあ…) なーんて。でもほんとに、可愛かったんだ。 「勉強の件だけど、またそのうち、日程を決めようか」 「……はい」 (………あー、ほんと、なんか泣きそう)
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