愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
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2015年03月19日(木) コンビニネタ12

 土曜日、今日のシフトは、早朝から昼までだ。真田は、早出が好きだった。6時からの勤務で、5時に目覚ましをセットしていたが、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。早い時間なのに、外はもう明るくて、犬の散歩をしている人もいれば、通勤中らしき人もいて、一日は動き出している。自分の一日も動き出してる。
(時間あるし、今日は歩いて行こう)
 あ、いつもは自転車です。

 あまり忙しくないまま、午前中が終わろうとしていた。いつも納得いかないのは、客が少なくても、すぐにゴミ箱がいっぱいになることだ。家庭のゴミが普通に入ってる。でももう、それにも慣れてしまった。
(上がる前にゴミ捨てとこ)
 それで、ゴミをまとめていたら、
「おーおー、頑張っとるねー。飲みかけの缶コーヒー、そのままポイしていい?」
 それ、一番嫌なパターン。
「ゆう、」
  振り返ると、結人の後ろに郭がいて、言葉に詰まってしまう。
「おつかれさま」
「あ、どうも…、こんにちは…」
 何故ここで、こないだはありがとうございます、と、さらっと言えない。もう、気持ちが深くて、そんな簡単には、ありがとう、が言えなくなってる。言わなきゃなんだけど。
「お前、何時まで?」
「12時。もうすぐだけど」
「ふーん、じゃ、これからうち来ねえ? なんか適当に買って、うちで食おうぜ」
 (それって、三人で、ってことだよな? そんな、急に言われても…。心の準備が…)
 真田は動揺する。郭は郭で、結人の提案にちょっとびっくりした(聞いてないから)けど、それは顔には出ない。
「いや、俺は、ちょっとこの後、用事があって…」
「ふーん、そー。ざーんねん。じゃ、また今度な!」

 バイトからの帰り道、真田は後悔する。咄嗟に断ってしまったけど、「うん」って言えばよかったかも。行けばよかったかも。でももし、もう一度あの場面になっても、思わず断ってしまう気がしてる。

 その後、若菜と郭の会話。
「あいつ、嘘つきやがったな。用事なんかないくせになー」
「あるかもしれないじゃない」
「いやいや、ないない」
「急に言うからだよ」
「あえての急にだぞ。事前に言っといたら、聞いたときからずっと緊張してそうだもん」
「結人の提案に、俺もちょっとびっくりしたよ」
「でも別にいいだろ? 一馬も呼んだってさ」
「俺は別にいいけど、急に言うから」
「いいじゃん。友達になってやれば。あっちはお前のこと、神様だとか王子様だとか言ってたぞ」(王子様なんて一言も言ってない)
「それはちょっと怖いよ」
「確かに(笑)」


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