| 2003年09月14日(日) |
軽々しく借金のことを口にしないでくれ |
小泉首相以外の候補者は、言い方の違いはあれ、経済政策に対する考えは同じ。 どの候補も経済が逼迫した状況では政府がカネを突っ込めと言う。
そんな中でも、特に亀井さんの考えには間違いがある。 記憶に残ったことからかいつまんでいうと、
1.(日本)国債は国内の景気が良くなれば返済できる。
2.税収が50兆円から40兆円になったのは小泉内閣の失政である。
間違っている点をかいつまんで言うと、
1に関しては、日本国債市場は国内の投資家だけが買っているわけではない。 景気が良くなる時期を考えずにやみくもに国債発行していると臨界点を超えて 日本経済は景気回復を待たずして破滅してしまう。少なくともそう感じた投資家は 一気に大量の国債を投売りする行動に走る。発展途上国的経済破綻の道を辿る。 2に関しては、平成2年(バブルの崩壊年)の60兆円を最高に右下がりになっている。
東大経済学部卒にしては、人には現実を見ていないと言っておきながら、自分の方が よっぽど現実が分かっていないとお見受けします。1に関しては意図的な発言で 誘導しているかのように思えるし、2に関しては小泉内閣の年度(平成13,14年度) だけで見た場合のことで、平成2年からずっと右肩下がりです。
いずれにしても、小泉降ろしのために都合のいい言い回しをしているだけです。 2に関しては、少なくとも小泉首相は当初から厳しくなる現実を考えて、国民に 我慢してくれと言って当選しましたから、消費や投資が落ち込んで税収が下がる ことは分かりきっていたことで、それが数字になって表われたんです。
細かい分析はいろんな人がなさっているでしょうからこの場では差し控えますが、 他候補の批判をするならば、少なくとも間違った見方を展開してあたかもそれが 正しいかのように主張することはして欲しくない。ここで主張したことは、その 発言責任を取られませんから、余計にいい加減なことを言って欲しくない。 政策を重視すると言うのなら尚更です。
小泉内閣のやることなすことが全て正しいとは言いません。 でも、やはり経済的な自立をするためには、過去の遺物を後世に残さないこと、これを 「先送り」することで不安材料を残さないことです。個人貯蓄が大きいのは、お金が 余って余って仕方がないからではなくて、将来の不安により消費を減らしているから だと思います。
消費が減れば投資も減る。税収も減る。その中で政府がお金をばら撒いても、また 一時的に消費を増やしたとしても、ばら撒きが無くなれば元の行動に戻ります。将来の 不安が解消されない限り。ということは、いつまでも政府がお金をばら撒き続けない 限り景気は良くならない(現状維持できない)わけで、その借金を返す設計がいつまで たってもできないということです。そうではなくて、なんでこうなるのかという原因を 分析して、それに対策を打つことが将来への不安解消に繋がると考えるのは当たり前の ことではないでしょうか。
今の不安を将来に先送りし、同時に将来の不安に手を打たないことこそ、景気に打撃を 与える一番の悪だと思います。
ですから、例え一時的にでも、国債を増やした景気回復を主張している候補には 信用を置かないわけです。過去の反省をせずに、目の前の現実だけを見て、バブル 崩壊後に行なった政策を繰り返すという、政治的にも経済政策的にも学習効果を 知らないとしかいいようがありません。理屈はよく分からないけど、とにかく カネを突っ込んでみようという、一見ケインズ政策ですが、カネを注ぎ込んできた バブル後のやり方を、更に推し進めようというわけですから、さぞかしケインズも 嘆いていると思います。もしかしたら、新ケインズ理論とでも言いたいのだろうか。
2000年に一時回復基調になりましたが、また元に戻りました。 ケインズ政策って、そういうもんです。一時的なカンフル剤です。 そこで効かなければ、ケインズ政策では景気は救えないわけです。 今の日本の状態でケインズ政策をやり続ければ、まちがいなく経済崩壊します。 それも近い将来。(数年のうちに) 国債の残高もそろそろ臨界地点です。
この臨界地点を越えれば、経済実態がどうであれ、経済は崩壊します。国債の発行 残高があまりに大き過ぎて、政府・日銀も支えきれません。国債発行の恐ろしい ところは、ここにあるのです。政府の借金も限界があるんです。国債を買っている 人は日本だけではありませんから、政府がコントロールできる領域も限られている わけです。大口保有者である国内の金融機関がまず最初に破綻しますから、国債発行 の臨界地点を越えた時点で経済は大混乱になります。発展途上国であれば、その金額 の大きさが大したことないので、世界銀行だけでも対処できましたが、日本となると その莫大な金額から、世界銀行では手に負えません。となると、どこも手に負えなく なるわけで、国家破綻になるしかありません。
日本にいるどんな金持ちでも破綻してしまいます。救われる人はいません。 なぜなら日本にある金融機関が破綻しますから、預けていた金融資産が全てゼロに なってしまいますし、いくら土地を持っていても買ってくれる人がいませんから、 なんの価値にもなりません。全ての資産が無価値になってしまうんです。これでは 戦後よりもひどい状態です。
国債の危険性はこんなところにあるわけです。 いつまでも借金をしているわけにはいかないんです。誰かが借金を減らす行動を しなければなりません。そのタネを植えていかなければなりません。
生活が苦しくなれば借金をすればいいなんてことを軽々しく言う人に、信頼置ける 人はいません。個人も国も同じことです。身近な人を考えると、ますますそのように 思ってしまいます。さて・・・。
はい。今日は晴れところにより一時雨。(東京地方)
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