| 2001年10月11日(木) |
厳しい時代だからこそ忘れてはいけないこと |
会社全体の業績は、子会社・関係会社の集計がまだであること、それ から全体の調整や訂正事項が残っておりますから、もう少し後です。
各事業部単位では締めきりを過ぎており、数字の集計は本社サイドでの チェックだけが残っております。われわれの職場はなんにも隠し事など ありませんから、現在出ている数字がそのまんま業績になります。
それぞれ思惑とか見栄とかありますから、上期に出てきた数字の説明に 苦労するのかしないのか。それぞれの事業部によって違ってきます。
出てきた実績の数字から、下期の予想数字を報告しなきゃいけないの ですが、本社の思惑で利益の積み増しなんかを強いられる事業部が出て きます。大きな事業体になればなるほどそのような思惑に影響されて きます。
小さな事業体は、どうがんばっても全体に影響するような数字は期待 できませんから、そういう意味で大きな事業体は自分たちのがんばり だけでは終わらない経営側の思惑に左右されたりなんかして、管理の 人たちはこれから経営側がどのように出てくるか、心境穏やかでは ないはずです。
景気のいい時期であれば、利益の積み増しなんかしなくても待っていれ ば利益は予想より増えてきますので、楽な経営なんですが、現在のよう な厳しい時代では、少々無理な数字を要求していかないと、面目の ためだけに見栄を張って、結局数字が伴わないなんてことが予想され ますから、あらかじめきつい数字を要求してくるのです。
よその会社にもあることでしょうが、このような厳しいことを要求 されてくると、管理職(特に部長職)の責任逃れが目に付いてきます。 どういうことかというと、事前に自分に責任追及の手が来ないように 悪者を仕込んでおくのです。悪い方向に行った場合に責任を問われる 人間を決めておいて、何かあった場合はその人間を悪者にして責任を 取らせる。自分がやったことじゃないと開き直る。そんな部長職。
下の者から見れば、そんな部長職はイラナイ。辞めてしまえと思う。 だってそんなヤツがいるから下が育たない。あんたの名誉のため、 生活を守るために下の人間が不幸になるのはあまりにも理不尽。 かといって、下剋上を企てようものなら、人事権は部長職にあり ますから、発覚した時点で反逆者のレッテルを貼られて、即刻左遷 とか、クビとか、臭いものにはフタをする論理になります。
幸い、ウチの会社はそこまでえげつない部長職は目に付きませんが、 それに近い人は存在しました。まるでどこぞのお役人みたいな人が。 勘違いした人が。自分のことしか見ていない人が。
いずれにしても、厳しい時代になると自分を守るのにみんな必死に なってきますから、致し方の無い現象かもしれません。家族の オマンマがかかっておりますからね。でも、見方を変えるとそんな 守りの姿勢が今日の不良債権に至っているのかもしれません。つまり 旧態依然の守りの姿勢が新しい時代の流れについて行けないように なってきて、個人を守ろうとするあまり、会社のことをなおざりに してしまった結果がどうしようもなく腐ってしまった実態になる。
昔ならば職人芸と呼ばれた才能は、今は自分を守る術と化してしまった 事実があります。個人の才能はそれらの集合体である会社にとっては 有益なのですが、それぞれの個人の才能を後世に伝えることが会社の 経営には不可欠であることを認識しているかどうか。身や骨も血液が 流れなくなったらうっ血して壊死してしまいます。それが会社だと どうなるのか想像してみて下さい。分かりますよね?
しかし、会社の幸せは個人の不幸せ。これを両立できないところが 会社経営のつらいところなんでしょうね。 経営者のみなさん、お疲れさまです。
はい。今日は曇りのちときどき晴れ。(東京地方)
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