| 2008年07月21日(月) |
教育現場に飛び交う札束…大阪でも、医学部でも、政治介入も |
7月20日の産経新聞で「【疑惑の濁流】「出世もコネ、カネ次第」教育現場に飛び交う札束…大阪でも、医学部でも、政治介入も」と題する長文のリポートがあった。特に採用だけでなく、昇進にも金が動いていたと言うから驚きである。これらの記事、関連ニュースを読んで「微塵も怒り」を感じない人は日本社会の【濁流】にすっぽりと浸かっている人だと思う。 昨日の第3グループの社会の情報交換会で、テーマは異なるが社会の出来事に対して「怒り」を感ずるかどうかの話が出た。社会悪に対して怒りを感じる人が少ないので、結果的に社会は変わらないと言う側面があると思う。社会の情報交換会では �‥椶蠅海戎佑箸靴討離┘優襯�ーの源泉である。 ��怒りを何も感じない若者がいたとすれば、心は既に老人である。 �E椶蠅魏燭盍兇犬覆ぜ禺圓論犬�るエネルギーが弱いといえる。 等の意見交換を行なった。
日本の社会には、政治家の子供は政治家、教員の子供は教員という潮流がある。こんなことを繰り返して日本の社会は持つのだろうか。ともかく、以下に引用した3篇の報道に眼を通して欲しい。事態は予想以上に深刻なのである。
【疑惑の濁流】「出世もコネ、カネ次第」教育現場に飛び交う札束…大阪でも、医学部でも、政治介入も 2008.7.20 産経新聞 社説:教員採用改革 もう先送りにはできない 2008年7月21日 毎日新聞 社説 教員汚職―口利き封ずる仕組みを 2008年7月21日 朝日新聞 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【疑惑の濁流】「出世もコネ、カネ次第」教育現場に飛び交う札束…大阪でも、医学部でも、政治介入も 2008.7.20 産経新聞 「コネや金がなければ昇進は無理」。“先生”たちが買ったのは、子供の採用枠だけでなかった。自らの出世にも多額の金が動いていたことが明らかになった大分県教育界。県議や国会議員秘書らの“口利き”も横行していた。これは大分県だけの特異な事件なのか。平成18年には大阪府教委で講師採用をめぐる汚職事件があったほか、横浜市立大では博士号取得で「謝礼金」の授受も。教育界には不透明なカネが飛び交っている。 現職校長らが“自首”…昇進でも動いたカネ 「昇進試験に何度も落ちたが、カネを使えばすぐに通った」 収賄容疑で逮捕された県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)に商品券50万円分を贈ったことを、県警と市教委に告白した50代の男性教頭は、周囲にこう話しているという。 「自分の昇格に関して、不正があったことを告白したい」 7月8日、大分県佐伯市の市立小学校に勤務する50代の女性校長とこの男性教頭、50代の女性教頭の計3人が意を決して佐伯署に相談に出向いた。 同市教委などによると、3人のうち2人の教頭は「昇進での便宜を図ってもらった謝礼」としてそれぞれ50万円分、女性校長は「江藤参事の昇進祝い」で10万円分の商品券を贈ったと説明。3人とも今年、校長と教頭に昇進していた。3月に別府市のホテルで江藤容疑者を囲んで開かれた食事会に参加し、商品券を渡した。3人は市教委に「(事実を隠すことが)とても耐えきれなかった」と話したという。 県警に“自首”した小学校校長と教頭2人はそれ以後、勤務する学校に姿を見せていない。 一方、江藤容疑者らへの贈賄容疑で逮捕された県教委義務教育課参事、矢野哲郎容疑者(52)も県教委の現職ナンバー2、富松哲博教育審議監(60)に、自身の昇進に関して20万円の商品券を渡した疑いが浮上している。 商品券の受領について、富松審議監は「否定はできない。自分が逮捕されるかどうかの瀬戸際だから、簡単には話せない」と苦しいコメントに終始している。 矢野容疑者は今春、佐伯市の離島にある学校の校長から県教委に異動。採用汚職発覚後の6月の県議会では「わずか1年で県教委の重職に栄転した。この裏には不正があるのではないか」と地元県議から疑問の声が上がっていた。 師弟間のカネのやりとり…教育界の旧弊か 教育界の金をめぐる事件や問題は後を絶たない。平成18年には大阪府教育委員会ナンバー2の元教育監が、知り合いの元学校法人理事長から親族の女性を府立高の非常勤講師に採用してもらうことを依頼され、採用決定後に仕立券付き紳士服地(35万円相当)を受け取ったとして、大阪府警に収賄容疑で逮捕された。 府教委が調査したところ、この元学校法人理事長から飲食接待や贈答品を受け取った職員が37人もいたことが判明した。 「慣例、慣習と思った」 今年3月には横浜市立大医学部の元学部長が医学博士号の学位を取得した大学院生から謝礼として総額約300万円を受け取っていたことが明るみに出た。元学部長のケースを含め、教授ら計16人が計約570万円を受け取っていた。大学の調査に「感謝の気持ちとして受け取った」などと答える教授もおり、罪悪感は極めて薄い。 医学博士号をめぐる現金授受では昨年、名古屋市立大の元大学院教授が、便宜を図った見返りに学位申請者から現金を受け取っていたとして収賄容疑で逮捕されている。学問と離れ、師弟間の不透明な金品の授受は連綿と続いているようだ。
県教委幹部も、県議も、議員秘書も…口利き公然 「よろしく頼むよ」 大分県の現職県議は県教委ナンバー2の元教育審議監、二宮政人容疑者(61)=収賄容疑で逮捕=に、こう言って採用の口利きを繰り返していたという。 選挙の後援者らからの口利きの依頼は絶えず、「頼まれたら、そういうこと(口利き)もするわな」。 当然のような口ぶりだったという。 県議だけではなかった。県教委の元幹部は「国会議員の秘書からも口利きを受けた」と明かし、さらに疑惑が拡大している。 こうした口利きは、少なくとも10年以上前から半ば公然と行われていたという。 「知人が受験するので配慮してくれないか」 県議らは県教委幹部を直接訪ねたり、ほかの職員のいる前で頼むこともあるなど、口利きに罪悪感はみじんも感じられない。 こうした中、今月15日には県教委トップの小矢文則教育長(60)が昨年の試験の際、口利きのあった受験者の合否を、正式発表の前に依頼のあった複数の県議に伝えていたことが明らかになった。 小矢教育長は「不正とまでは思わないが、誤解を与えるようなことをした」と苦しい弁明。口利きやその応答が、県教委トップまで巻き込んだ“日常”となっていた実態を裏付けた。 先生の子は先生に…背景に教員人気 大分県の教員採用試験をめぐる汚職事件の一因は、地方の採用試験の高倍率があるようだ。10倍を超す競争率の県も少なくない。地方では、いわゆる教育一家で、子供も教員を目指してもらいたいとの“信仰”も根強い。 大分県の場合、平成19年度の小学校教員採用試験の受験者は476人で採用者40人。実質倍率は11・9倍だ。 理由について大分県教委は、(1)少子化の進行(2)市町村合併などによる学校の統廃合−を挙げる。一般に地方の教員志望者は地元志向も強い。 教員の管理職試験の厳しさも同様だ。東京都のように管理職希望者が不足して主幹教諭(管理職の一つ)を配置できないのは全国的に見ると例外となっている。 こうした事情は各県でみられ、今回の汚職事件が大分県だけの問題なのか、疑念を抱く教職受験者も多い。 新潟県など複数の県でも県議らに合否の事前連絡していたことが明らかになるなど、教員採用や昇進をめぐる汚職事件が各地で発覚してもおかしくない土壌にある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 社説 教員汚職―口利き封ずる仕組みを 2008年7月21日 朝日新聞 教え子の顔が一人一人浮かぶ。あの子たちにどう話せばいいのか――。そんな思いで眠れぬ夜を過ごしている人はどれぐらいいるだろう。 大分県の教員採用をめぐる汚職事件で、不正に採用されていたことが確認された場合には採用が取り消されるという。当然の措置だろうが、子どもたちへの影響が心配でもある。 さて、全国の教員はこの事件をどんな思いで見ているのか。もちろん、憤慨している人が大半だろうが、ひょっとしたら苦い記憶を呼び覚まされている人もいるかもしれない。 文部科学省は、全国の都道府県の教育委員会に対し教員採用についての実態調査を指示した。今回の事件が大分県だけの特殊な事情にもとづくものだとは思えないということだろう。 実際、今回のように大胆で露骨な例は珍しいにしても、教員採用をめぐる口利き話はそこかしこで聞く。コネがなければ教員になりにくい、といった話も少なくない。 さらに新たな問題も出てきた。採用の合否が受験者本人に伝えられる前に、国会議員の秘書や県議らに漏らされていたという。本紙の調査によると、そんな便宜を図っていた都道府県・政令指定都市の教育委員会は、全国で20を超える。 合否の決まった後のことだ。採用を求めて口利きするのとは違う。だから目くじらをたてなくてもいいのではないかという考え方はいけない。 議員や地域の有力者らにだけ特別に知らせるのは、どう考えても公正ではない。そうした便宜供与が口利きを許すことにつながり、それが今回のような事件に発展したのではないか。 では、どうすべきか。 まず、各教育委員会は実態調査を機に、不正がないかどうか徹底的に検証してほしい。今回の事件でも教育委員会の中枢が不正に手を染めていたのだから、おざなりの調査で実態を突き止められるとはとても思えない。 何よりも大切なことは、不正が入り込まないような採用制度をつくることだ。試験問題と解答を公表し、試験の成績を受験者に通知する。試験の採点や合否判定には、県人事委員会や第三者機関などを関与させる。それらは最低限、必要なことだ。 同時に、口利きや特定の人たちへの便宜供与を一掃しなければならない。このほど教委の全国総会で事前通知をやめることで合意したというが、総会にはかるまでもないことだ。例えば鳥取県のように、口利きなどをしてきた場合はその名前や依頼の内容を公表するような制度を設けたらどうか。 繰り返される教員採用汚職。公立学校不信を増幅させる罪は限りなく重い。今度こそ教員の採用や人事にからむ不正や悪弊を根絶やしにすべきだ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 社説:教員採用改革 もう先送りにはできない 2008年7月21日 毎日新聞 大分県教員採用汚職はここだけの例外的事件か。そう考える人はほとんどいないだろう。毎日新聞が47都道府県と17政令市教育委員会にアンケート調査したところ、半分近くは受験生本人に得点を開示せず、大半の自治体が第三者チェックの仕組みを持っていない。 また、多くの自治体で合否結果を県議ら「有力者」の求めに応じて事前に知らせている実態が明るみに出た。大分県の教育長も昨年、複数の県議らの要請で発表直前に通知したことを認めている。この際、毎日新聞の取材に文部科学省の担当課は「同様の事例は聞いたことがない」と評したが、不可解だ。では、これまで入れ代わり立ち代わり全国の教育委員会に出向してきたキャリア官僚たちは何を見聞きしていたのか。 教育振興基本計画は「教員は、子どもたちの心身の発達にかかわり、その人格形成に大きな影響を与える存在であり、その資質・能力を絶えず向上させる」ため研修などの充実をうたうが、それ以前の入り口=採用制度の公正確保には言及しない。「地方が自律的に取り組むべきで、国が上から介入すべきことではない」というのが文科省の基本的な考え方だ。しかし、実態を直視し、改善策に知恵を絞り、提起するのは全く別の問題である。 互いに「先生」と呼び合う内輪世界で、コネと金品を動力源に採用や昇進人事が行われていたのが事件の構図だ。程度や規模の差はあれ、こうした土壌は大分のみならず他の地域でも多く指摘されてきた。 そして、改ざんなど恣意(しい)的な操作が行われたら十分なチェックができるか、多くの自治体が心もとない体制であることも毎日新聞の調査で明らかだ。大分では10年保管と規定されている採用試験答案用紙などもあっさり廃棄されていた。 とりあえず文科省は各教委に、チェック体制や公正性を保つ措置、文書の保存期間など9項目の回答を求めた。月内に集約するが、肝心なのはそれを受けて何を提起し、改革へ確かな一歩を踏み出すかだ。 情けない話だが、教委の現場では、大分の事件が大きく報じられたので今後は有力者も介入しなくなると期待する声がある。また答案など文書保存徹底もある程度効果はあろう。それも小さな一歩には違いない。ただ、第三者のチェック、正答・成績の本人開示と説明、コネや介入を遮断する対応ルール作りなど、これまでも指摘はありながら一部にとどまってきた抜本策を講じる時にきている。 全国に共通した構造的な問題と多くの人たちが受け止めているから、大分県の事件は関心の高いニュースになったのであり、これをどう改革に転じさせるか注目されている。 今回ばかりは「先送り」は絶対に禁じ手である。
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