| 2008年06月24日(火) |
10年連続3万人を超える自殺者をどう思う |
警察庁のまとめによると、昨年1年間に自殺した人は3 万3093人を上った。2003年の3万4427人に次いで、統計を取り始めたこの30年間で2番目に多い。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率は25.9人で、これも前年より0.7人も増加した。 (6月22日付・読売社説から) 人口10万人当たりの自殺率25.9人は、ロシアを除く先進国ではダントツ��1である。 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2770.html 主な自殺率を上げてみよう。 ロシア 29.2 日 本 25.9 フランス 18.0 米 国 11.0 イタリヤ 7.1 英 国 7.0
日本の自殺率の高さについては、WHO精神保健部ホセ・ベルトロテ博士はこのように言っている。「日本では、自殺が文化の一部になっているように見える。直接の原因は過労や失業、倒産、いじめなどだが、自殺によって自身の名誉を守る、責任を取る、といった倫理規範として自殺がとらえられている。これは他のアジア諸国やキューバでもみられる傾向だ。」という見方もあるが、先進国と比較して日本に足りないものは人権感覚だと思う。
日本は個人が失敗すると人権を踏みにじる徹底的な指弾が行なわれる社会のように思う。事業に失敗するとほとんど再起出来ないような社会構造が出来上がっている。多くの倒産を見てきたが、その倒産企業の代表は人権すら踏みにじられるのが多いのである。どんな失敗をしようも、明日に向かって生きていく基本的な生存権〔人権〕があるのだ。これを認める社会になって欲しいものだ。
自殺3万人 詳細データを施策に生かせ 2008年6月22日 読売社説 【主張】自殺者3万人 鬱病の対策が緊急課題だ 2008.6.21 産経新聞
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自殺3万人 詳細データを施策に生かせ 2008年6月22日付・読売社説 自ら死を選ぶ人が絶えない。10年連続の3万人突破である。 警察庁のまとめによると、昨年1年間に自殺した人は3万3093人に上った。2003年の3万4427人に次いで、統計を取り始めたこの30年間で2番目に多い。 人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率は25・9で、これも前年より0・7増加した。 自殺率と失業率は相関的な動きを見せてきた。しかし、昨年の失業率は3・9%と10年ぶりに3%台に低下したにもかかわらず、自殺率は改善しない。 自殺者を世代別でみると、30〜40歳代で前年より増えたのが特徴だ。この世代で全体の3割を占める。社会の中核となって働かなければいけない人たちが、なぜ人生をなげうつのか。 仕事の負担感が増し、成績評価に対する満足感が下がっているという調査もある。職場環境が厳しくなっているのだろうか。 政府は一昨年、自殺対策基本法を制定した。「自殺の背景には様々な社会的要因があることを踏まえ、社会的な取り組みとして対策を実施する」ためだ。 これを受けて昨年6月には自殺総合対策大綱を定め、2016年までに自殺率を20%以上減少させるという政府目標も掲げた。 日本の自殺率は欧米先進国と比べ突出している。基本法は、国や自治体、事業主に、それぞれ防止策を講じるよう求めている。まずは20%減少の目標達成に向け、協力して取り組んでほしい。 対策大綱は、精神科医療体制や地域の相談体制の充実、職場での心の健康づくり、多重債務者や介護者の支援、自殺未遂者の心理的ケアなどをあげている。深刻な事態の改善に向けて、個々の施策を着実に実施していきたい。 今年に入って硫化水素自殺が増えている。背景にあるインターネット対策も課題だ。 警察庁は今回から、発表方法を大幅に見直した。動機の分類も従来の8項目から52項目にと細分化した。「勤務問題」は「職場の人間関係」や「仕事の失敗」など5項目に分けている。7分類だった職業別も、50以上に分けた。 警察官が自殺を扱う場合も、複合的な要因を浮かび上がらせるため、一つに絞っていた動機を三つまで選べるようにした。 警察庁は、要望があれば都道府県に個別のデータも提供するという。足元にどのような問題点があるか、独自の対策を立てるうえで役立ててもらいたい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【主張】自殺者3万人 鬱病の対策が緊急課題だ 2008.6.21 産経新聞 自殺者が10年連続で3万人を超えたことが警察庁のまとめで分かった。なかでも昨年1年間の自殺者のうち、鬱病(うつびょう)が原因とみられるケースが2割近くにものぼった。細かい自殺原因が明らかにされたのは初めてだ。 自殺原因・動機で最も多かったのは健康問題で、うち鬱病が6060人を数え、なかでも働き盛りの30歳代と40歳代が目立った。 そこで、鬱病などの心の病に対する早期発見と予防・対策に真剣に向き合うことが求められる。心の病に対する偏見をなくし、患者に十分に理解を示すことが何よりも大切である。 気分が落ち込んで不眠や食欲不振、頭痛、腹痛などにも悩む鬱病は「心の風邪」とも呼ばれ、だれでも罹患(りかん)する危険性がある。しかも人間的なつながりが希薄になりがちなIT(情報技術)社会が大きなストレスをかけ、病状をさらに重症化させているとされる。 鬱病は企業にとって貴重な戦力を失うため、社員への体の健康診断と同様、心の健康診断も定期的に実施することが望ましい。 たとえば、テストで従業員のストレスの程度を測定して問題のある従業員を見つけ出し、カウンセリングを通じて本人に医療機関への受診を促す。その結果、重症化する前に治療することができる。心の病は早期に発見すればするほど回復も早い。 急速な脳科学の発達により、薬で脳の神経伝達物質をコントロールする治療も進んでいる。大切なのは専門医から鬱病などの心の病の診断をきちんと受け、適切な治療を施すことだ。 今回のまとめによると、日本の人口10万人当たりの自殺者数は25・9人で、先進国のなかでも突出して高い数字だ。 自殺者の7割以上が男性で、男性は30年前と比較して1・8倍にも増え、女性は1・2倍にすぎない。男性の自殺の動機には鬱病が多い。 自殺対策基本法に基づく自殺白書(19年度版)も「バブル崩壊という経済的変化が中高年男性の自殺者急増に影響している」と分析し、「社会変化の節目で自殺が増える」と指摘している。練炭や硫化水素による自殺も相次いだ。 自殺が社会と密接に関連していることは間違いない。今後も自殺の傾向を調べ上げて原因を究明し、実効性のある対策を練っていくことが大切である。
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