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2004年06月03日(木)
望月花梨を読む

望月花梨を四冊読みました。「裸足めぐり」「チョコレートダイアリィ」「スイッチ」「スイッチ」2
最初の二冊は比較的古い作品で、まだつたなさが残る。けれども感覚が鋭くて、時々はっとさせられて、それでも私はこういう中学生の残酷さはちょっと苦手かも・・・と思いながら読んでいました。で、どの話か忘れたけれど、すこんと突き抜けた感じがあったんですね。一線越えてもいいんじゃないかというサバサバした感じというか。それを読んでちょっと受け入れられた。なんていうんだろ。この人は常識の範囲、日常の範囲から逸脱したいと思ってるし、ちょこっと意地悪だし、それなのに、学校とか小さい枠の中が好きな感じもする。鋭いナイフを小さい世界の中で振り回していたら、それは危険だわよ。で、振り回していたナイフが切り裂いたところから小さい世界を見たら、いとおしい気持ちになった・・・って、そんな感じ?
「スイッチ」の二冊は、そういう危なっかしさを上手に馴らしつつ、消さずに、前向きにまとめてあるところが良かったかも。これは絵も上手いし、誰が読んでも良い作品だっていうだろうなあ。誰にも知られちゃいけない関係って、現実以上にロマンティックなんだよね。そういうのが好きな向きにはたまらない作品。
ううう。でも、私は主人公のそばにいつもいる仲良しの女の子とか仲良しの男の子とかが怖いです。ああいう親友のことは何でも知ってなくちゃいや的関係は、私が一番避けてきた世界なので・・・一人で立って歩けよ。おせっかいするなよ。自分のことは自分で抱えろよ。などと思ってしまいました。一歩間違えば一番やっかいな敵とか火種になる関係を繰り返し描く望月さんは、そういう関係のどろどろした部分にこそ惹かれているのかもしれませんよ?