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漫画関連ファイル


2001年11月23日(金)
飛鳥幸子の世界

ネットで知り合った、マンガマニアの元祖のような方に(笑)
飛鳥幸子さんの本をまとめて貸していただきました。
とても立派な商業誌の体裁ですが、これが同人誌なのだそうです。
ナール出版社という、同人誌専門の出版社から
20年ほど前に何冊か出版されたうちの一部です。

飛鳥さんは昭和24年生まれ。
1966年にデビューし、少女フレンド、セブンティーン、ファニー、少女コミックなどで
活躍されました。
代表作は『怪盗こうもり男爵』『白いリーヌ』『フレデリカの朝』などです。

SFが好きで、ミステリが好きで、歴史が好きで、
高校生の頃のデビューにかかわらず、初期作品でも
じゅうぶん、読み応えのあるものだと思いました。
残念ながら、リアルタイムの読者になるには、私は当時小さすぎたようですが
『フレデリカの朝』だけは、記憶にあるような気がします。
きっと、年上の姉の本で読んでいたのかもしれません。

リアルタイムで読んでいないので、飛鳥さんが当時どういう位置にいたのか、
彼女が誰から影響を受けて、誰に影響を与えたのかということはわかりません。
飛鳥さんに限らず、あとからやってくる読者には、そういうところはなかなか見えにくいものです。
このような形で、三冊の本と、会報にまとめてくれたファンがいるということは、
作者にとって、とても幸せなことだと思いました。

一緒に久掛彦見さんの『夜来香』もお借りしました。
こちらは、リアルタイムで見ることができた作家さんです。
当時の空気がいっぱいで懐かしかったです。彼女の作品に現われる
様々なモチーフを他の作家さんにも見ることができます。
これもまた、相互の影響なのかどうか、今となっては全然分からないのでした。
活動し続けるという事が一番必要なのかというと、花郁さんのように
何年経っても語り続けられるということもあるし。
作品の価値や評価が何によって決まって、何によって残っていくのか
古典となっていくのか、見届けることができるでしょうか。

ところで、飛鳥さんの故郷は富山県高岡市だそうです。
何年経ってもあまり風景が変わらない古い小さな町ですが、
藤子さんや今さんや、ゆかりの漫画家が多いことに驚かされます。