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2001年02月28日(水)
百鬼夜行抄 第8巻

百鬼夜行抄の新刊がでました。
シリーズが長くなってくると、ふつう、登場人物がおなじみになりすぎて
味が薄くなったり、馴れ合ったり、まとまりすぎたりするものだけど、
どこか底なし沼を残したまま、続いているのはたいしたものです。

底なし沼というのは、弱い人間がとりこまれてしまう、魔の世界でしょうか。
桜の木に食べられちゃうとか、埋められた人の幽霊が家の中をうろうろしたりとか
とってもこわいのに、かわいい妖怪がでてきたりして、ほのぼのするところとの
バランスが絶妙で、ついつい読み返してしまう。

今市子さんが、グレンスミスの24ページの呪いにかかってしまったのは
読者にとってはとても、幸せなことだと思うわ。
短いページに惜しげもなく詰め込まれるエピソードを
いろいろふくらませて読むことができるから。

しかし、半分人間じゃないって、律はいったい何者なんでしょうね?
それを言ったら、雨柳堂の蓮もだけど。

朝日ソノラマ ネムキ
http://www.asahisonorama.co.jp/hp/nemuki.html