さっき第三巻を読んで、深く心を動かされてしまいました。 西原は、私の言う「理屈」を越えている。軽々と踏みにじって あっちへ行ってしまう。 小市民的な常識とか、良識とか、社会的規範とか、そういう「理屈」の 通らない社会を描いて、しかも堕ちていかない。 そんなことを続けることが可能なのか・・・・?
全3巻のうち2巻をよんでいないので、中間が抜けてるんだけど、 3巻にいたって、あっけないほど、いろんなことが起こる。 絵のヒトコマ、一行のセリフで、お話が怒涛の展開をとげる。 さりげない怒涛の展開と、きっちり描かれる心の動き。 この絵で、この内容って、ほとんど詐欺じゃないの? というくらいスゴイ漫画だと思う。
いろいろなものに絡め取られずに、商業誌の中で ヒョーロン家につぶされずに、読者におもねずに こんなことを続けることができるのか? サイバラはつまらなくなったね、なんて言われても 小金をためて、小市民的暮らしを手に入れたほうが 幸せだろうなどと、小市民的読者は思うのだった。 ああでも、稼いだ小金を全部まーじゃんにつぎこんで 一文無しになるほうが、彼女らしいと思わせるところがあるけれど。 無頼すらも計算という評論家なんか ほんとにつまらないと思う。
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