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漫画関連ファイル


2001年02月24日(土)
『ぼくんち』 by 西原理恵子

さっき第三巻を読んで、深く心を動かされてしまいました。
西原は、私の言う「理屈」を越えている。軽々と踏みにじって
あっちへ行ってしまう。
小市民的な常識とか、良識とか、社会的規範とか、そういう「理屈」の
通らない社会を描いて、しかも堕ちていかない。
そんなことを続けることが可能なのか・・・・?

全3巻のうち2巻をよんでいないので、中間が抜けてるんだけど、
3巻にいたって、あっけないほど、いろんなことが起こる。
絵のヒトコマ、一行のセリフで、お話が怒涛の展開をとげる。
さりげない怒涛の展開と、きっちり描かれる心の動き。
この絵で、この内容って、ほとんど詐欺じゃないの?
というくらいスゴイ漫画だと思う。

いろいろなものに絡め取られずに、商業誌の中で
ヒョーロン家につぶされずに、読者におもねずに
こんなことを続けることができるのか?
サイバラはつまらなくなったね、なんて言われても
小金をためて、小市民的暮らしを手に入れたほうが
幸せだろうなどと、小市民的読者は思うのだった。
ああでも、稼いだ小金を全部まーじゃんにつぎこんで
一文無しになるほうが、彼女らしいと思わせるところがあるけれど。
無頼すらも計算という評論家なんか
ほんとにつまらないと思う。