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2000年01月24日(月)
「残神」と「トーマ」

「残酷な神が支配する」がようやく、大詰めを迎え、やっと単行本を買ってきた。
途中、ちょっと、つらくて読めない時期があった。立ち読みはしていたけど。
まだ、完結していないので、ちゃんとしたコメントはできないけど
少し、考えたことをメモしておこうかな。

「トーマの心臓」と設定が似ている、というのは周知の事実だけど、
一体、どこが似ているのかな。

1、主人公の母親が再婚する。
2、母親が車と一緒に燃えてしまう。
3、背中のキズ
4、他人から受けた暴力
5、心の傷が回復するか否か、が問題

違うところ

1、ジェルミは、エーリクとユーリの設定を足して割ったような感じ
  (髪型が黒髪のくせっ毛って、ほとんど冗談みたい) 
  マザーコンプレックスと、他人からの暴力による傷を
  二重に  ジェルミは背負っている。
2、イアンは、オスカーとトーマかな? オスカーとエーリクかな?
  前半では、ジェルミのことを知らないで責め(エーリク)
  後半は、知っていて救おうとする(トーマ)
  でも、イアンはジェルミのことが好きなのか?
  責任感と義務感から泥沼にはまってるのかな?
3、「トーマ」は、傷の告白で話が終わるけど、「残神」はそこから始まる。 
  誰かが自分のことを愛しているということだけでは、救われない。

書いていて思ったけど、どちらの作品も主人公に対して、ダメージを与えた
人間は、生身の人間としては登場しない。本当なら、傷を与えた人間が
罪を償うべきだろうな。現実と狂気のはざまで、相手を打ち倒すことに
意味があるんだろうか、、、?現実的に解決を求めているわけではなくて、
主人公の心と頭の中で(萩尾さんの頭の中で)考えたものという
限界を少し感じないでもない。(そんなこと言ったらほとんどの創作がそうだけど)
萩尾さんの描く大人はなぜ、あんなにも魅力がないのか、、、、
ちゃんと生身の大人を相手に、ぶつかっていかないと
その先には進めないんじゃないか、、、?
(この項続く、、、)