+--- Cinema Memo ---+


■ ディナー・ラッシュ ←おすすめ!!! 2003年07月15日(火)
天才シェフとして業界の寵児と扱われるウード、その父で店の方針についてウードと対立しているオーナーのルイ。公私ともにウードのライバルでギャンブル中毒の副シェフ、ダンカン。そこにルイの長年のビジネスパートナーを殺し、店を乗っ取ろうとしているギャングが現れて…ニューヨークのトライベッカで超人気のイタリアンレストラン「ジジーノ」を舞台に、様々な人間関係とドラマを洗練されたタッチで描く監督の半自伝的作品。

監督-----ボブ・ジラルディ 出演----ダニー・アイエロ エドアルド・バレリーニ サマー・フェニックス

音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆.5 映像・演出☆☆☆☆ 俳優☆☆☆☆.5 総合評 ☆☆☆☆.5

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久々にこの手の(アルトマン系?)面白映画を観た、という感じで超興奮! あらすじからだとちょっと地味な印象を与えてしまうかもしれませんが、これはまさに「レストラン版ER」!最後まで息が抜けません!!! 人間ドラマに程よく振りかけられたサスペンスのスパイスの絶妙さ。あっと驚く最後の展開、騙されたと思ってぜひ見てみて下さい!!!!(いや、私も今頃沸騰して遅れてるんですが)

監督はイタリア系の渋いおぢさま(美食家兼毒舌家)、もとはCMとかミュージックビデオがご専門(M・ジャクソンのBEAT ITを撮っているそう)。今回は14年ぶりのメガホンとか。それにしても趣味の良さがもうあちこちにバシバシ出ていて素敵だ。何軒かある自分の持ちレストラン(!)で撮影しただけあってスピード感のある調理のシーンはスタイリッシュかつ生々しい(超忙しい時に停電が起こり、コンロの炎だけを頼りに調理を続けたり、まさに戦場)。
ウード役のエドアルド・バレリーニ(こんな姓があるんですね)は個人的にはイチローと荻原聖人と足して2で割った感じ?(笑)しかしなんと言ってもいいのはルイ役のダニー・アイエロです(よくギャング映画に出てましたね)! もうこれぞイタリアのオヤジさん像!って感じで、惚れたわ〜。他にもクールなウェイトレスを演じるサマー・フェニックスや、辛口の評論家やらなんやら、いかにもNYっぽいシニカルで濃い人たちばかり出てきてあっという間にエンディング、という傑作。

雑誌をめくったら監督のインタヴューを発見(PREMIERE 02/10)。
「ハリウッドの映画会社の幹部気取りの若造にとってのいい映画とは、観客が繰り返し見に行くような映画だろう。それが儲けに繋がるからだ。私にとっていい映画とは、自分が満足できる映画だ。つまり監督仲間や映画評論家や友達が気に入ってくれて、口コミで人気が出るような映画。だから私に言わせれば、いい映画のレシピとは誇りにできるまっとうな映画を作ること。今回はそれを達成できたと思っている」

クー!しびれるぅ!




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Written by S.A. 
映画好きへの100の質問



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