弱Sonファイブ
仕事が終わって 一息ついてから ジュンと 隣町のジョナサンまで散歩する。 仕事の話をしながら 着馴れたスーツで チンタラ歩く。 そいつを 信じられるかどうかは、 そいつが 横にいていいかどうかだ。 ロードオブザリング第1章を見た。 あんなリアリティのない マクロ視野な映画は 認めねえと思ったが、 例えば ジュンとおいらの付き合いが 映画化されるとしたら あんな感じなのかもね。 おいらという人が持つ記憶とは けっこうマクロ視野なのかもな。 ジョナサンに着くと、 フレディ・マーキュリーみたいな 化け物がとなりの席にいる席に 案内された... なんかペーパーナプキンに ファンデーション塗りたくって 色を比べてる。 ジュンが目で合図する。 何やねん、 ... ギ? 何? スギ? ああ、 ミ・ス・ギ、ね。 オカマを見るのはやめて 逆の席を見る。 ... うっわー、 あの女ヤベー。 テーブルの中央に ケイタイ開いて置いて 凝視してるよ。 ドリンクのグラスが3つ。 水が入ってるグラスには ペーパーナプキンが 巻かれてる。 何時間待ってるんや... ジュンにアイコンタクトを送る。 「ピンポーン」 ジュンがテーブルのボタン押す。 「ご注文お決まりでしょうか?」 「席替えてください」 別の席に移りながらジュンは ウエイトレスのおねえさんに 「あれ、オカマだよね?オカマ?」 って何回も聞いていた。 別の席についてから おいら思いっきり笑ってしまった。 つられたみたいで ジュンの理性の砦は ポロッと落ちたみたいだった。 「あれゼッテー男だよ!」 「お前見すぎ!」 「だって普通見るやろ?」 「目、つけられたらどうするんや?」 「もうその話はやめよう...」 「...」 「となりの女、せっぱつまってたよね」 「いや、見てなかった」 「あの席、ホンマヤバかったな」 「あんな席じゃ、くつろげねえよ」 ... おい、 オカマがこっちきた、 オカマが! うっわー、 めっちゃこっち見てるわ、 おっかねー。 「なあ、 あのオカマ、トイレ行ったけど どっちかなあ?」 「ぜってー男だって!」 「おい」 「あ?」 「見に行ってくる...」 トイレコーナーに行く。 静まり返ってる。 男コーナーのドアを開ける。 オカマが鏡見て 何かやってるぅぅぅ!!! いちおうファスナーおろして オシッコしてみる 格好をする。 出ない... ブルブルブルブル ブルブルブルブル。 ジュンー、 おいらがまちがってたー。 ブルブルブルブル ブルブルブルブル。 ガチャ、 バタン。 ... ふぅー。 オカマは去って行った。 おいらは オシッコしてないのに 手を洗いながら、 なんであのオカマは ちゃんとおっぱいが あるんだろうと思った。 ... あ! ロードオブザリング。 二つの塔... |