弱Sonファイブ
新宿にて。 持内ダメ子さんと流歌ねーちゃんとで おかまバーに行くべく 3人でコマ劇場ののぞき部屋前に 集合した。 なんでのぞき部屋前に 集合したのかと言われても 困ってしまうが、 まあ、なんとなく。 とはいえ、 そのまま3人で のぞき部屋に行ったわけではないし、 行きたかったわけでもない。 んで、どこのおかまバーに行くか って話になったのだが、 なんとダメ子さんが 男でも女でも入ることができて ノンケでも大丈夫、 日曜日でも営業していて かつ料金が安いというお店を 調べてきてくれていた。 そこにたどり着くべく 新宿をウロウロする。 いろいろ迷った末に 新宿2丁目にたどり着く。 「あの辺とちゃうか?」 とダメ子さんが言う。 みんなで行く。 近くに本屋さんが見えてくる。 大きな張り紙が何枚も貼ってある。 バディ発売! 薔薇族発売! さぶ発売! ... これを見て 加護さんの背筋は一瞬凍った... しかしここれで逃げたら イヌ呼ばわりされることは 目に見えているので、 問答無用で 目当てのお店が入っている 雑居ビルに突入。 3F。 ... 2Fあたりから おじさんのザーメンが飲みたい とか、 会ってすぐセックスしよう とかの書き込みが随所に見られる。 RUSHの瓶が置いてある。 ... 気を許してはいけない。 加護さんはそう思った。 そして一気に入店。 「いらっしゃいませ〜」 ... 別にちょっとハデな感じの 普通の飲み屋だった。 が、 客がいっせいに 加護さんを見る。 もちろん全員男性だ。 いや。 いっせいに、というわけではない。 タイミングはいっせいに、 なんだけど、 ワザとタイミングをずらす人も けっこういた気がする。 ん、女の子っていっつも 男からこんな類の視線浴びてんの? 加護さんは生まれて初めて 好奇の視線というものを 経験したよ。 にもかかわらず ダメ子さんと流歌ねーちゃんは ブサイクでもなんでもないのに まるで空気のように 他の客から ムシされて続けている。 ... おっかねえ... 席につく。 あたりを見渡す。 カラオケの曲がひっきりなしに 予約されている。 特に「アメリカ橋」という曲が 何回もクレジットされている。 しかしなんで「アメリカ橋」なんだろう... モスコミュールを飲む。 どうでもいい話をする。 もう一杯 モスコミュールを飲む。 どうでもいい話をする。 ... おしっこに行きたい(T_T) でも行けない。 がまんする。 おしっこに行きたい。 でも行けない。 がまんする。 おしっこに行きたい。 でも行けない。 ... もれるぅ(T_T) 「流歌ねーちゃん、おしっこ」 ... ひとりでおしっこ行くのが こわかったので、 流歌ねーちゃんに 連れて行ってもらった。 無事、 店外のトイレに到着。 流歌ねーちゃんに お外で待っててもらう。 ズボンのファスナーを下ろす。 ねーねーおしっこ どっちが長くできるか 競争だぁ〜!! いきなりお兄やんが 横からハイテンションで 話し掛けてきた。 「ハハハ、いいっすよ...」 って答える。 後ろを見る。 なんか男の人が 後ろに並んでる... さらにお外で流歌ねーちゃんが 他の男に話し掛けられている。 トイレの人口密度が一気に上がる。 お兄やん、 「おしっこ終わるときは おふくろさんよ〜って 森進一歌わなきゃダメだよ〜」 って言いながら ファスナーの中身を 覗き込んでくる。 「ハハハ、すんません...」 って答えながらも もう手洗わなくていいやって思って とにかくお外に出た。 流歌ねーちゃん、 おいらの表情を見て 哀れに思ったのか、 おいらの手をひいて 自分たちの席まで連れ戻してくれた。 その様子が すっごく男らしくて 思わずホレ直した。 客がすぐ 目を合わせようとする。 おふくろさん〜のお兄やんが 目が合うやいなや、 ゲッツ!とか言って 話し掛けてくる。 その後ろの男もおいらを見てくる。 ダメ子さんが注文頼んでいるのに いちいち店員がおいらと目を合わす。 おふくろさん〜のお兄やんといっしょに ゲッツ!のポーズをして とてもヘコむ。 その後も ヘコみまくって キョドりまくっている おいらを見かねて、 ダメ子さんが 「勘定お願いします」 って言ってくれた。 店員さん 「カンチョウ?」 って何回も聞いてきた。 「やだ、女の子にはしたことないから」 とか言っていった。 とにかく 早く帰りたかった。 にもかかわらずダメ子は あの危険なトイレで 用をたしたいと言いやがった。 流歌ねーちゃんまで 用をたすことにしやがった。 女の子ふたりが 男子トイレで用をたしているのに 誰一人 トイレに来なかった... 次はレズピアンバーに行くぞ と言って息巻いている ふたりの後ろをついていきながら 加護は うすうすながら気づいた。 今日行ったとこって おかまバーじゃなくて ゲイバーなのでは... |