弱Sonファイブ
加護さんは 今日も勉強してきた。 弁護士になる勉強だ。 特に風営法中心だ。 そして のさばる悪に悩み苦しむ 風俗嬢(主に流歌ねえちゃん) を助けるために さっそうと弁護を買って出る 風俗弁護士になるのだ! カネではない! 守るべき信条さえあればいい! 15万6千円さえあればいい!! 早朝4時55分、 流歌ねえちゃんの家と思われるマンションに 加護さんの愛用車、 リムジンのマーチを横付け! (ウッス!) BGMはキングギドラ! (ウッス!) 服装はもちろん、 スーツの青山で買った 黒いスーツに ドンキホーテで買った鼻メガネ。 (ウッス!) さっそうとドアを開けて 車から身を乗り出し、 辺りをうかがって外に出る。 トランクからカギ爪をとりだし、 マンションのベランダの柵に がっちり食いこませる。 2,3回引っ張って ゆるみがないか確認したあと、 そろりそろりと 6畳と思わしきワンルームマンションに かけ上がる。 ベランダに到着し、 サッシのカギの部分の まわりのガラスに ガムテープを貼って トンカチでコン。 ピキピキピキ。 ギリギリサッシのカギの部分に 加護さんの手首が入るように ガラスに穴をあける。 その穴から中の様子をうかがうと 10人の黒服と 2人の女の子が かなり密着して正座している。 場は緊迫しているようだが、 黒服の一人が なぜかお茶を入れ始める。 誰がこの家の主人なのか わからない。 完全に 家宅侵入するチャンスを 失った加護は、 壊したガラス代を どう弁償するか 考えはじめたころ、 黒服たちがぞろぞろと 帰りはじめた。 ひとりの女の子は彼らを見送り もうひとりの女の子は だまってお茶をすすっていた。 そのとき 車のキーを つけたままだったことに 気づいた加護は サッシに油性マジックで 「加護はやってません」と書き、 サッシの穴に 四字熟語を書いた紙を投げ入れ、 プッチンプリンのテーマを 口ずさみながら 急いでベランダから飛び降りた。 飛び降りた代償は 全治二週間だったが、 大きな達成感を 胸に秘めることができ、 その足で会社に行って、 今日もハードワークを こなしてきたってワケだ。 え? 紙切れに書いた四字熟語? そりゃああんた、 文通希望。 追伸: この人とこの人、 もう二度としないんで 許してください... |