弱Sonファイブ
山手線に乗っていて ふと前を見ると 赤ちゃんが泣いていた。 グワアアアアア泣いてる。 背後で 怒鳴り声や泣き声を聞いたとき すぐふりかえる人は Mだそうだけど、 ここまで大音量だったら 誰でもふりかえると思う。 とにかく赤ちゃん 泣いて泣いて泣きまくる。 そんで泣いてるうちに ムカーときたんかもしれんけど、 だんだんおこりだしてきた。 赤ちゃんムカムカして どうしてええかわからんように なったらしくて、 ブチ切れながら おもむろに右足の靴下を 脱ぎ始める。 その靴下を なにやら高々と掲げようとして となりのおねえちゃんに 止められてた。 次の瞬間 赤ちゃんは おねえちゃんの方を カーーって睨みながら 靴下はかされるがままになっていた。 そして靴下が元通りになると それを合図にまた泣く。 トルクフルに泣く。 ナナメに座ってる お父さんを見ながら泣く。 泣いて泣いて泣きまくる。 困ったおばあちゃんは 笑いながらお父さんに 赤ちゃんを預けにいく。 すると赤ちゃんは ピタリと泣くのをやめる。 お父さんと笑いながら 鼻くそをほじくっている。 鼻くそをほじくりながら おいらの方をチラッと見る。 思わず目を合わしてしまう。 赤ちゃんニコッとしてくれる。 ニコッとしながら もう一方の鼻くそほじりに とりかかる。 鼻くそほじりをしてる オレを見ろ! と言わんばかりの表情だった。 お父さんが注意しながら 席を立った。 降りる駅のようだ。 赤ちゃんは降りる方向を カッと見てる。 そして赤ちゃんを抱いている お父さんがホームに降り立ったあと 赤ちゃんは鼻くそをほじりながら こっちをガーーって見てるので 手を振ってあげた。 そしたら余った方の手で 手を振りかえしてくれた。 少し幸せな気分になった。 |