弱Sonファイブ
何だろう、 これがウワサの 放置プレイというヤツだろうか。 おいらこのまま放置されて バックで 中島みゆきの「恨みます」とか 生演奏で流れてきて おいらはひとり 体育すわりで 「人生ってよぉ」とか言いながら おでんとか食うんだろうか。 絶対こんにゃくとか 味とかしみてないんだ、 そんでオヤジに 「なあ、もっと煮込んでくれよ」 とか言ったら 「食いさし突っ込むんじゃないよ!」 とか怒られて 「ガタガタ指図すんな!」 とか言ってなぐりかかって 屋台ぶっ壊して 110番されて 留置所にぶち込まれて 頭が冷静になってきたら 「ああ、何てことしたんだ...」 と後悔し始めて、 明日会社行けなかったらどうしよう、 やべっ、あの書類、 承認印押してないよ、 事務のねえちゃん 留置所まで書類持って 来るんやろうか、 そしたらねえちゃん すっげえ他人行儀な声で 「加護さん、こちらに承認願います」 とかいきなり言って 「なんで留置所にいるんですか」 とか言ってくれなくて 挙句の果てに会社に戻ったら ...トントン。 ビックリしたわ、誰やっ!? 「加護ちゃんお待たせ〜♪」 ... あー、ビックリした。 事務のねえちゃんかと 思った... 「となりいい?」 って言うので、 「うん、これ飲みな」 と言って 加護さんのボトルから シングルの水割りを ついであげた。 「なんだか煮詰まってるんだって? どうしたの?」 って言ってくれたので、 お言葉に甘え、 加護さんはとにかく 思いつくままに ダウンタウンマニアのねえちゃんに しゃべりまくった。 最初の方は あんまり日本語になっていなかった 気がするが、 それでもかまわず どんどんどんどん しゃべりまくってやった。 そのうちに お酒のせいだろうか、 おねえちゃんが お仕事上手なんだろうか、 だんだん話に輪郭が出てきた。 例えば... 「akiraってヤツがいてね、 サークルの忘年会で 閉会のあいさつ頼んだら サークルのみんなの前で あることないこと 大暴露されたから殺してやりたい。 どうやれば叩き殺せるかな?」 「えー、 あたし、ヤクザのお客さんと 知り合いだから たのんであげようか?」 「おう! とりあえず電話番号教えてくれや」 「教えてあげたいのは ヤマヤマなんだけどね、 いきなり加護ちゃんがかけたら ビックリするじゃない?」 「えー、そう言って自分 絶対中間マージン取るんやろ? 自分ホンマ、銭まみれの人生やな!」 例えば... るみという女はおかしい。 東京に遠出してくるっちゅうんで でっかいグッチの 紙ブクロ持ってきたから お泊りセットかいなと思たら、 中に絵本2冊とカガミしか入ってへんねん。 これでどうやって寝泊りすんねん。 持ってくる紙フクロまちがえたって、 ふつう重さで分かるやろ、 絶対こいつテンネン。 使えん。 例えば... おいらの先輩のりょうっていうヤツ、 あれヤバイ、狂ってる! マニアやもん。 忘年会の前に なんかエアーガンの展示会に 行くって言うから 先輩やから逆らわれへんし、 しょうがなく付き添いに行ったら 入っていきなり この30万円のエアーガンが欲しい! とか連呼してるし、 そこの店員、ほとんど軍服着てるし、 「スコーピオンは チェコスロバキアのマシンピストルだよ マガジンの装填数知ってる?」 とかいきなり話しかけてくるし、 「4000発くらい?」 って聞いたらブツブツ言いながら プイってどっか行くし、 あいつら全部キチガイやで。 例えば... 「サークルの忘年会って 何のサークル?」 「趣味のサークル」 「趣味って?」 「利き酒とか...」 「ふーん」 「あ、この香りは大五郎や!とか...」 「...」 「いや、ホンマはお笑いサークル」 例えば... ともちんっていうヤツがいて こいつがホンマ見栄っぱりでさ、 乳ナシのクセして 乳見えそうで見えない 服着さしてからに、 ホンマ見せたいねんやったら 男らしく全出しせいよ!って こわくて よう言わんかった... 例えば... サークルのアイドル華子ちゃんが 既婚者と夜の街に消えた。 おいらはもう 何を信じて生きていったらいいのか わからない... 例えば... サークル屈指の女好きの シュウというヤツは 自分のことをMとか言ってる。 自分の女に 「ホーラ、あたしの足で あなたの恥ずかしいところは こんなになってるわよ、 どうしてこんな風になっちゃったの、 言ってごらん。 本当にはしたないわねー」 というセリフを 自分で教え込んだりしてるのはいいとして、 ケイタイカメラにその恥ずかしい画像を スクリーンショット登録して セピア色に加工する のはおかしい。 今度遊ぶ約束したけど 神経がマトモなうちは 絶対いっしょに遊びたくない。 例えば... 忘年会、 1次会が終わって会計したら 6300円足らへんかったやんけ! 誰や、誰が出してないねんや! お前か!それともお前か!って、 ひとりづつ一列に並ばせて ビンタしていきたいわ! 2次会なんか 10000円以上足らんかったわ! 忘年会なんか 二度とやるか!! とかを ねえちゃんに掃き出していると、 頭の中がどんどんクリアになって あとにはシンプルな感情が いくつか残っただけとなった。 ... で、 そろそろお時間ということなので、 すんごくスッキリした気分で お会計の伝票を受け取る。 2時間で 53000円也 ... ふゆはさむい。 |