黒ラブ日記








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2007年02月24日(土) 第658話 犬ぞり隊

ノアが一番喜ぶ散歩の組み合わせは兄ちゃんがリードを持って私が付き添って歩くこと。

私はいつも「犬ぞり隊みたい」って思う。
私たち全員が犬ぞり隊の犬なのさ。


大昔、高校生の頃かな。
北の大地を犬ぞりで仕事をする人の話を読んだ。
何頭もの犬で大荷物を積んだ橇を曳き目的地に進む男の話。
すべての犬のポジションには意味がある。



先頭を切るリーダーの犬。みんなの信頼を集め沈着冷静。
リーダーの座を狙う2番手の犬たちは負けん気が強く成り上がり志向。
二番手を狙う若手の体力自慢の犬。
みんなの動向にあわせて働く気性の穏やかな犬。
力は強いけど弱気な犬、チームワークが苦手な犬。



それぞれの性格と体力と体調を見てどの位置にどの犬を配置するかが男の腕の見せ所。
地平線上を横に移動する太陽の光の中、吹雪に襲われたり狼に襲われたりしながら雪と氷の大地を走っていく橇の話は、何度読んでも面白かったっけ。


私たち犬ぞり隊のリーダーは私。
私の動向を常にチェックして寄り添いながらペースを合わせるノア。
ノアをコントロールしようとしながらコントロールされてる気弱な兄ちゃん。


夜の散歩で三頭の犬ぞり隊はハイペースで歩く。


ときどき電柱の匂いをチェックしたりマーキングしたりするノア。
一定のペースで歩く私。
ある程度以上に私から離れると急いで駆け寄るノア。
ダッシュするノアに合わせてる兄ちゃん。


普段は恐ろしく口数の少ない兄ちゃんが、このときだけはいろんな話をしてくる。
「ふーん」「へー」「そっかぁ」と相槌を打つけどコメントはしない私。
(うははーうははー)と私の顔を何度も見上げながらご機嫌なノア。

(このくらいの速さで歩けばいいのねっ?)



兄ちゃんが大学に行ったらもう夜のお散歩は無理かなー。
犬ぞり隊はもうちょっとの間だけのお楽しみだね。


(はふううっっっ♪)


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  如月 [HOMEPAGE]

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